メリットは無料だけではない
エンゲージの強みとは
自社のホームページが作れるということだけを考えれば、ブログサービスや作成ツールをはじめ、さまざまな無料サービスが存在する。競合サービスが多い中で、エンゲージが18万社を超える企業のユーザーに利用されるようになったのはなぜか。
その理由を、人材採用サービス会社のエン・ジャパンが運営しているという強み、蓄積した採用ノウハウを惜しみなく投じて、「どうしたら、採用担当者が効果的に情報を発信できるか」を追求したことにあると、寺田氏は分析する。
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「ブログだと、なんの情報もない入力画面に、必要な採用情報を手探りで決めて入力していく必要があります。ですがエンゲージは、『給与』『勤務時間』といった採用に必要な要素を入力項目としてあらかじめ用意しているため、迷わず記入できるようになっています。応募フォームもすぐに作れます。また、応募があった際の応募者のレジュメも担当者が見やすいように工夫していますし、応募後のやりとりもスムーズに行えるように設計しています」(寺田氏)
さらに、エン・ジャパンの掲げる「入社後活躍」という観点から開発されたオンライン適性テスト「Talent Analytics(タレントアナリティクス)」や離職防止ツール「HR OnBoard(エイチアールオンボード)」をはじめ、応募者管理システム、面接前に応募者と動画でやり取りができるビデオインタビューなど、エン・ジャパンが持つノウハウ、採用につながるソリューションが投入されていることが、利用企業に評価されてきた。これらのソリューションもオプションサービスとして、件数・人数制限付きではあるが、無料で体験できるため、効果を知った上で利用を検討できる。
IT系企業やベンチャー企業では、ビジネスSNSと言われる企業の情報発信サービスを使っているところも多いが、そうしたサービスとエンゲージとの違いについて「ビジネスSNSだと、自社の採用ページとしてではなく、そのサービスを"場"として利用することになるため、『他の会社よりもいいことを書こう』という勝負になってしまいます。エンゲージでは、本当に自分たちが採用で伝えたいことを、他社を意識することなく、思う存分自由に書けるのです」と寺田氏は語る。
このように、企業独自の情報発信を大事にしつつも、給与情報や勤務時間など、最低限の雇用条件の記載は必須にしている。「採用した人が入社後に活躍するためには、応募者と企業カルチャーの合致に加えて、雇用の条件や期待できるキャリア形成についてのマッチングも大切だ」からだという。
「今後のキャリアや生活もあるので、求職者は最低限の条件は知っておきたいはず。それを犠牲にして、入社後も継続的に働いていくことはできません。また、エンゲージはビジネスSNSとの併用も可能なので、採用方法を広げる選択肢のひとつとして考えていただきたい」(寺田氏)