35歳からのキャリアアップは成功する?
「アラフォー転職の本音と現実」座談会

「35歳限界説」を突破する転職術

転職市場が活況だ。だが、かつて「35歳転職限界説」が言われていたこともあり、30代後半を過ぎてからの転職に対して不安を感じる人は多いだろう。実際のところはどうなのだろうか。キャリアや年収はどうなる?「嫁ブロック」は?そこで今回は、30代後半~40代での転職を経験した4人のビジネスパーソンに集まってもらい、座談会を開催。自身の転職体験談を忌憚なく語ってもらった。

〈座談会参加者プロフィール〉
藤原さん:44歳男性〈既婚〉 不動産関連/営業

新卒でインテリア関係の企業へ入社。30代後半に住宅資材のメーカーに転職、その後43歳で二度目の転職、現在の不動産関連の企業へ。

 

大谷さん:43歳男性〈既婚〉 印刷/デジタルマーケティング
新卒で外資系の広告代理店へ入社。34歳でベンチャー企業に転職後、38歳、41歳で三度の転職。現在は印刷会社で立ち上がったばかりの新部署に携わる。

 

岡田さん:40歳男性〈既婚〉 インターネットサービス/営業
新卒でインターネットサービス関連企業へ入社し15年間営業を担当。39歳で現在の外資系インターネットサービス関連企業に転職。

 

坂口さん:48歳男性〈既婚〉 製薬/広報
新卒で外資系製薬会社へ入社し営業を担当。45歳で現在の外資系製薬会社に転職、広報を担当。

 

(※参加者名は仮名)

やっぱり転職は「35歳まで」が有利なのか?

――みなさん、30代後半から40代で転職されています。まずは、その年代で転職された理由を教えてください

岡田 僕はマンネリが要因です。新卒で入社してからずっと同じ会社にいたこともあり、30代後半くらいから、大抵のことを"慣れ"でこなせるようになっていて、「本当にこのままでいいのか?」と悩むようになりました。そこで、40歳の節目までに転職し、新しいことに挑戦したいと思って実行に移しました。

藤原 私も同じです。マンネリを感じていたことが大きかった。二度目の転職に関しては、引き抜きがきっかけです。前に勤めていた会社と今いる会社は業務提携していたので、その関係で声をかけてもらいました。

坂口 新卒で外資系の製薬会社に営業職で入ったんですけど、そこが大企業で、なかなか自分のやりたいことができませんでした。異動の希望も叶えられなかったし。それで、もっと自由にできる環境に身を置きたいと考えるようになり、同じ業界の中・小規模の会社をターゲットにして、転職先を探しました。たまたま、今の会社に知人がいて、誘ってくれたのが決め手になりました。

大谷 僕の場合は、新卒で入った外資系の広告代理店に11年いましたが、特に英語が堪能ではなかったこともあり、外に出たいな、と早い段階から思っていました。その後、34歳でベンチャー企業に転職し、38歳でまた広告代理店に転職しました。

岡田 ベンチャー企業に転職して、また広告業界に戻っているんですね。

大谷 ベンチャー企業ではそれまでとまったく違うカルチャーに触れることができたので、この経験を広告業界で強みにできるのではと考えて、再び広告代理店に転職したんです。ただ、次に入った日本の広告代理店は、外資やベンチャー企業と風土が全く違いましたし、上の世代が詰まっている感じもあった。僕はマネジメントをやりたかったので、ここではそれを実現するのに時間がかかりそうだな、と思って41歳のときに3回目の転職を決めました。

――以前は「35歳転職限界説」が言われていました。年齢が転職の「壁」になった経験はありましたか。

岡田 今の会社は中途採用者しかいない会社で、40歳以上の転職者も多いです。30代の終わりに焦って転職活動をしましたが、全然焦ることはなかったように思います。40歳を超えた転職者が多いくらいですから、35歳に壁があると感じたことはありませんでした。

坂口 私の会社も、転職してくる人の年齢はバラバラです。自分自身もそうでしたけど、40代でも会社のニーズに合う人材であれば、転職は全然難しくないと感じています。

藤原 ただ、確かに「転職するなら30代のうちに」となんとなく考えてしまう気持ちはわかりますね。私も、一度目の転職は30代の後半でしました。当時は年齢を少し気にしていましたが、直近の転職では43歳でも特に問題になりませんでした。

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