多くの人にとって、特に30代後半の人にとっては、転職は人生を左右する重大なイベントだ。家族がいたり、初めての転職だったりすればなおさらで、本当に転職して大丈夫なのかと不安に感じるのも無理はない。そこでダイヤモンド・オンラインでは、株式会社ビズリーチの協力の下、「35歳以上でビズリーチを活用して転職に成功した年収1,000万円超のビジネスパーソン」4人にインタビュー。彼らが転職を決意した理由や転職を成功させるためのポイントを聞いた。

転職に年齢は関係ない40歳を超えてキャリアアップを成功させる秘訣とは?

45歳で初めて転職し風土の異なる外資系企業へ
成功の決め手は自分のスキルの棚卸し

CASE【1】
鈴木順一さん(仮名・46歳)
新卒で国内大手メーカーの子会社に入社。45歳にして初めての転職に挑戦し、現在は外資系コンサルティングファームに勤務。

 鈴木順一さんは45歳のときに初めての転職を経験し、現在の外資系コンサルティングファームに籍を置くようになって1年が経つ。転職の理由は、一言で言えば「やりたい仕事ができなくなったから」だった。

「以前は、新卒で入った大手メーカーの子会社で、わりと順調にキャリアを積み重ねていました。出世のペースも速かった方だと思います。やりがいのある新規ビジネスの担当を任されるなど、居心地の良い職場で、充実した日々を送っていました」

 しかし、あるとき大規模な事業計画の見直しが行われ、鈴木さんの携わっていた新規ビジネスが凍結されてしまう。志半ばのまま、意に沿わない部署に転属することになった鈴木さんは、転職を意識するように。

転職に年齢は関係ない40歳を超えてキャリアアップを成功させる秘訣とは?

「その時点ですでに45歳。転職経験はゼロだったので、かなり悩みましたね」

 そんな鈴木さんの背中を押したのは、会社で懇意にしていた上長の言葉だった。

「その人が『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』という本を読め、と薦めてくれたんです。それで読んでみたら、長寿化に伴って働く期間が長くなっている今、キャリア初期に身につけた専門技能だけで生き抜いていくのが難しいこと、生涯を通じて新しいスキルや技能を身に付けることが重要、といったことなど、そのときの自分に響くメッセージが詰まっていました。さらに上長は『悩んでいるなら行け。お前よりもっとダメなやつだって、いくらでも転職しているよ』と冗談まじりで励ましてくれて。それで、本腰を入れて転職活動してみようと決心したんです」

 転職の情報集めには、ビズリーチを活用。数ある転職サイトの中でビズリーチを選択したのは、情報量の豊富さや手軽に登録できる点などが気に入ったためだ。

「ところが、転職活動を始めた当初は、求人募集に応募してみても、軒並み断られていました。ヘッドハンターにコンタクトを取っても会ってさえもらえず、『紹介できる企業がない』というメールが送られてくるばかりで……。1カ月余りの間に、20~30社は面接すらできず門前払いされて、さすがに心が折れかけました」

 元々、コミュニケーションスキルが高く、人の話をよく聞き、相手に寄り添えることを自分の強みだと感じていた鈴木さんは、「とにかく面談までこぎ着ければ事態を打開できるかもしれない」と考え始める。そこで、自分のやりたいことやそれまで培ってきたスキルの棚卸しを実行。職務内容やスキルを整理し、ビズリーチの登録プロフィールを作り直した。

「それが効果的だったみたいで、すぐに数件の大手企業からのスカウト、さらにベンチャー企業からの『プラチナスカウト』*も届きました」

 スカウトが来たときは、「かなりうれしかった」と話す鈴木さん。ベンチャー企業に挑戦したい気持ちもないわけではなかったが、家族からの反対が予想されたため、大企業数社からのスカウトに応じて、面接を受けた。

「その中で一番スムーズに進んでいったのが、今所属している外資系コンサルティングファームでした。スカウトをもらってから2週間ほどで内定に至りました。それまでの悪戦苦闘がうそのように、決まるときはあっさり決まるものですね」

 待遇面では、前の会社よりも年収が2割程度アップし、1,000万円超に。家族も、大企業への転職ということで歓迎してくれたという。

「内定をもらったときに妻から言われたのは、ブランド力のある大企業に行けて良かったね、ということ。以前は大企業の子会社の所属で、親会社に比べると給与は低いし、コンプレックスのようなものが根深くあったんです。もちろん、大企業じゃなくてもやりがいのある仕事ができればいい、と分かってはいるのですが、今回の転職で長年のコンプレックスを払拭できたことは、自分にとって良かったのかもしれません」

 現在の勤務先は、ドメスティックなメーカーとは風土ががらりと異なる外資系企業。苦労が多く、勉強の毎日だというものの、「後悔はない」と鈴木さんは言い切る。

「以前の会社では部下もたくさんいて、目をつぶっていても仕事を回せるような状況でしたが、いつのまにか学ぶということを忘れていた気がします。今は環境が180度変わり、恥をかくこともしょっちゅうですが、少なくとも日々成長している実感があります」

*プラチナスカウト 
ビズリーチでは、企業やヘッドハンターからスカウトが届く。スカウトには通常の「スカウト」と、特別な 「プラチナスカウト」の2種類があり、なかでも「プラチナスカウト」は、企業やヘッドハンターが送信できる数が限られている、 とても貴重なスカウトとなっている。