毎日着ているスーツも、オーダーであつらえると見た目も着心地も格段にランクアップする。しかし、オーダースーツというと敷居が高いイメージを持つビジネスパーソンも少なくないのではないだろうか。そこでスーツのオーダーメードについて、紳士服を良く知る松屋銀座の粟竹将氏に伺った。
スーツで最も重要なのはサイズ感。
体形に合った1着は、やはり快適
松屋銀座 紳士部MD課バイヤー。2010年、松屋銀座に入社。紳士部スーツ・ネクタイ・ワイシャツ係、食品部和洋菓子担当を経て18年より紳士特選バイヤー。
――最初にスーツを選ぶときのポイントを教えてください。
粟竹氏(以下敬称略) まずスーツの素材、色選びですが、ビジネスシーンではウール素材が中心で、色は紺またはグレーが主流です。この2色はビジネススーツの基本色であり、相手に清潔感や信頼感を与えるのでお勧めです。
柄は無地、またはストライプがお勧めですね。ただし、ストライプは幅が太くなると派手な印象になりますのでご注意ください。最近ではチェック柄を選択される人も増えていますが、正統なイメージを求める場合は、やはり無地などがお勧めです。
――最近のスーツのトレンドは?
粟竹 エグゼクティブをはじめとするビジネスシーンでは、クラシックな流れが主流となっており、着心地の良い柔らかい仕立てで、パンツは1プリーツや2プリーツ、ベルトループのないサイドアジャスタータイプが多く見られます。ただし、ビジネスシーンではトレンドを気にするよりも、きちんと見えるかが重要ですので、オーセンティックな着こなしがお勧めですね。
――他に気を付けるポイントはありますか?
粟竹 やはりサイズは重要です。まず肩幅がきちんと合っているか、ジャケットの裾や袖、パンツの丈の長さ、身幅などがチェックポイントです。動きにくいからとか窮屈だからと大きめサイズを選ぶ人がいますが、体形に合っているものを着れば、窮屈に感じることはありません。
――サイズが合っていると快適に過ごせるということですね。
粟竹 ただし既製のスーツは一般的な体形のデータを基に作られていますので、全ての人に合うわけではありません。正しく着こなすとなると、ほとんどの人が、丈はもちろん、寸法直しが必要となってきます。
オーダースーツというと高価なイメージがありますが、既製品のお直し代を考えると、実はそれほど変わらない価格で手に入れられるものなのです。