プログラミングを修得すればどんな業界でも役に立つ
――それまでは別の仕事に就いていたが、今からプログラミングを覚えてエンジニアを目指すという人について、どうお考えですか?
ジェイソン:今より待遇がよくなるなら、それでいいですよね。または、仕事がなくなりつつある業界から、仕事がある業界に移るという点でも。そういう意味で、プログラミングは“業界”ではないんですよ。例えば医療を専門としてきた人は、医療以外の仕事はなかなかできませんが、プログラミングができるようになれば、医療業界でも、自動車業界でも仕事があります。どんな業界も同じスキルが使えるというのが、プログラミングの大きな魅力だと思います。
――普通のビジネスマンも教養としてプログラミングを学ぶ利点はあると思いますか?
ジェイソン:直接、プログラミングが仕事に関係ない人でも、考え方の改善につながるとは思います。僕個人としての考えでは、全員がやる必要はないと思っていますが。でも、いろんな新しい考え方、新しいものに接すると、新しい発想が生まれるようになるので、いろんなことができるようにしておくに越したことはないですね。
――では、経営者には、プログラミング技術やテクノロジーに関する知識がどれくらい必要だと思いますか?
ジェイソン:一般的な経営者としては、いくつかの考え方があると思います。例えば、経営者は英語を話せないとダメだという人がいるかもしれませんが、僕は別に通訳の人をつければ話せなくてもいいと思います。ただ、通訳を介してビジネスをやると時間が倍はかかりますし、誤解も生まれます。だから、英語が話せたほうが効率はいい。だけど、どうしても英語が必要ということではない。ITの技術も同じだと思います。理解してくれる人がいれば、その人にまかせればいいのですが、自分で理解したほうがより早く柔軟にビジネスを展開できます。だから、技術があったほうが。有利なことは有利です。でもやらないと生き残れないということではない。自分の別のスキルが飛び抜けて優秀なら、通訳の人やITに詳しい人と一緒にやることで、全部自分一人でできる人に勝てるかもしれない。どこで勝負するのかということですね。自分が直接できる人になるのか、別のスキルをさらに磨いて他の人と一緒にやっていくのかを選ぶことになると思います。
効率良くプログラミングを学ぶにはオンライン学習がベスト
――今は、プログラミングを学ぶ方法もいろいろありますが、忙しい社会人が効率よくプログラミングを学ぶには、どういう方法が向いていると思いますか?
ジェイソン:今なら、TechAcademyのようなオンライン学習がお勧めですね。いろんなコンテンツをいつでも利用できるし、実際に動いている環境を見られるのは魅力的です。以前は本で勉強するしかなかったですが、すべての人がテキストだけで理解できるわけではないので。オンライン学習だと、一方通行ではなく、双方向でやり取りができますし。
――書籍だとそんなことはできないですよね。
ジェイソン:はい。読んで終わり。TechAcademyなら、質問を投げたりできるので、自分の理解も深まりますね。自分のペースで進められますし。
――場所も問いませんよね。東京だと教室に通って直接先生に教われる学校も多いですが、地方に住んでいるとプログラミング教室に通うのも難しいです。
ジェイソン:ええ、それもオンラインスクールのメリットですね。
フルタイムで働きながら通信制で修士を取得した
――アメリカでもオンラインのスクールは多いのですか?
ジェイソン:はい、多いですね。オンラインの大学も多いです。実は僕も、修士号を取ったのは通信制です。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校という、コンピューターサイエンスでは名門大学なのですが、通ったことはありません。授業の動画を自分の好きなタイミングで見ることができるので、僕は正社員として会社で働きながら修士号を取りました。会社の1時間の昼休憩のときに、大学の90分の講義を1.5倍速で見ながらお昼を食べて、プログラムを作って提出して教授に見てもらい、電話で話したり、他の生徒たちと一緒にチャットルームでやり取りしたり。僕はシカゴにいましたが、それでも大学までは車で4時間くらいかかる。同じ授業に他の国から、例えば、ヨーロッパから参加していた人もいました。
――そういう方が結構いるわけですね。
ジェイソン:普通というか、それが今さら驚かれるのは古いと思います。
――日本でもN高校みたいなのができてきましたし、放送大学は前からありますが、働きながら大学には行かずに修士を取得したというのはほとんど聞かないです。
ジェイソン:日本はね。でも実はアメリカで修士を取る人はほとんど働きながらだと思うんですよ。大学からそのまま進学して修士を取る人は一握りだと思います。