厚切りジェイソンに「社会人がプログラミングを学ぶ意義」を聞いてみた

言語にこだわらず、基礎を学ぶのが重要

――これからプログラマー、エンジニアになりたいという方に、今ならこのプログラミング言語や、この技術を学ぶのがいいとかっていうのはありますか?

ジェイソン:特にありません。特定の言語ができること自体には、大した意味がないと思うんですよ。それよりも、プログラミングの基礎、基本的な考え方さえ理解すれば、別の言語もすぐできるようになります。基礎を身につけた後は、それぞれの言語の違いがわかるということが一番大事だと思います。この言語はよりネットに向いてるとか、この言語はビッグデータの処理に向いているとか。自分がやりたいプロジェクトに最適な言語を見つけて、それを深掘りすれば、それでいいと思います。

――それはよく言われますよね。プログラミングは外国語みたいなもので、例えば、英語をすごく極めていたら、ドイツ語とか他の言語も習得早いですよね。

ジェイソン:そうですよね。僕は世界のすべての言語をしゃべれますしね。

――……。

ジェイソン:あ、流した(笑)。

子どもに学ばせるのなら、親も一緒にやることが大切

――ところでジェイソンさんは、NHKの子ども向けプログラミング学習番組「Why!?プログラミング」に出演されてますよね。今、日本でもSTEM教育※に注目が集まっていますが、子どもが早い段階からプログラミングを学ぶことについてはどうお考えでしょうか?

※STEM教育……STEMは"Science, Technology, Engineering and Mathematics"の略。科学・技術・工学・数学領域に重点を置いた教育モデルで、2000年代に米国で始まった。

ジェイソン:いいと思いますよ。向き不向きがあるでしょうから、すべての人がやる必要はないとは思いますが。多くの人にいろんなことを試せる教育環境があれば、「自分はこれが好きだ、面白い」と気づいて、より深いところに行く人が増えると思います。だから、とりあえずいろんな人にプログラミングはこういうものだと理解してもらい、「さらにやるならご自由にどうぞ」といった環境が必要だと思います。

厚切りジェイソンに「社会人がプログラミングを学ぶ意義」を聞いてみた

――日本では、若者のパソコン離れが問題になってますよね。

ジェイソン:僕もパソコンはほとんど使わないですよ。

――確かに、スマートフォンとかタブレットだけでも日常のことは片付いてしまいますね。

ジェイソン:僕はポケベルで。

――(笑)。僕は完全に分かる世代ですが、裕木奈江とか好きだったし。昔「ポケベルが鳴らなくて」というドラマが……

ジェイソン:わかりません。

――それはいいんですが、最近は、若い人の中でデジタルディバイドが増えていると思います。パソコンを持っている家は意外と少ない、特に子どもが自由にパソコンを使える家は少ないと思います。

ジェイソン:でもパソコンがないとプログラミングができないということじゃないですよね。

――確かにパソコンがないと何か作れないというのは、古い考えなのかなと思うようになりました。ジェイソンさんは、お子さんいらっしゃいますよね。

ジェイソン:少なくとも3人。

――お子さんへのプログラミング教育は、どうお考えになっているんですか?

ジェイソン:今、渋谷区に住んでいますが、公立小学校にタブレットが配布されています。その中にプログラミング学習教材があって、娘に「クリックしてたらパパが出てきた」と言われました。「Why!?プログラミング」の何かがタブレットに入ってて、授業で触っていたら「パパだ!」ってすごい驚いたと。そういうのを用意してくれるのはいいですね。子どもたちの好奇心が育つようなものを幅広く提供するのが一番いいと思います。

――ジェイソンさん自身が、お子さんにプログラミングを教えることはありますか?

ジェイソン:特に「プログラミングをしろ」とは子どもたちに言っていませんが、英語の勉強はやらせています。普通の学校なので日本語はそちらでやって、帰ったら英語の教科書を僕が使って教えてるんです。もう少し大きくなったら、プログラミングもやってみようかなと思っていますが。「マリオメーカー」※ってあるじゃないですか。簡単なプログラミングみたいなものなんですよね。そういうところから、プログラミングの触りを体験させて、今度はこういうのやってみたらとか。自分でゲームを一から作ってみたらとか、そういう会話はありますけど、今のところは、まだそこまで興味がないみたいですね。

 英語もプログラミングもそうですが、親が単にやれと言うだけでは説得力ゼロです。「自分ができるんですか?」ということです。子どもにやってほしいのであれば、一緒にやればいいと思います。「パパはやってないくせに、なんで自分がやらないといけないの?」となるから。親子で一緒に楽しい体験を作り上げていけたら、それが一番定着すると思います。

※マリオメーカー……任天堂のゲームソフト「スーパーマリオメーカー」「スーパーマリオメーカー2」のこと。ユーザーが自分でマリオシリーズのコースを作ったり、他の人が作ったコースで遊んだりできる。

新着
業界
学び
特集
書籍
業界
製造業 銀行・証券・金融 保険 建設・不動産 コンサル・士業 商社 運輸・物流 IT・通信 AI・テクノロジー エネルギー 医療・製薬 食品・農業 小売・外食 サービス・エンタメ メディア・広告 スタートアップ・新規事業 教育 財閥・学閥 予測・分析
学び
経営・戦略 マネジメント ビジネス課題 ビジネススキル 営業・マーケティング マネー・投資 相続・節税 年金 キャリア・働き方 受験・子育て 教養