経営の一翼を担う
店長は店舗で
企業理念を形にする
同社では7日間連続で休みが取れる「レインボー休暇」を実施
全国各地に実店舗を持つ飲食業は、一般的にキャリアパスが見えにくい。しかし同社は、店長を経営の一翼を担う存在と位置付けている。新入社員は店舗に配属され、研修を受けながら、主任、副店長を経て、平均1.5~3年で店長となる。
「当社は店長を、リーダーシップを体現する最も重要な存在と位置付け、トップを代行して企業理念を具現化する役割を担うことから、店長のことを『プレジデント』と呼んでいます。従業員の採用やコスト管理など意思決定の経験を積むことで、エリアマネジャーや他の部門でスペシャリストを目指すこともできます」(加治社長)
店舗以外で間接業務を行うスタッフのうち約9割が店舗勤務経験者、7割以上が店長経験者だという。経営に参画するスタート地点が店長というわけだ。
飲食業は休みが取りにくいと思う人もいるだろうが、同社には、周囲に遠慮せずに休める仕組みがある。例えば直営店は、大みそかと元旦は全店休業。年末年始は家族や大切な人と過ごしてほしいという願いから、1989年に大型店をオープンして以来ずっと続けている。2015年からは「レインボー休暇」と呼ばれる連続7日の休暇を年1回取得する制度を導入した。
同社は社員を「個」として捉え大切にする企業でありたいと願い実践してきた。その成果が企業としての成長物語にはっきりと現れている。