“男性社会”の建設現場で
女性の現場代理人が活躍
牧野電設は1978年に設立された電気設備工事(主に屋内配線工事)の施工会社である。東京・埼玉・千葉・神奈川を中心に、官庁や大手ゼネコンから直接依頼を受け、電気設備工事を手掛けている。現在までに4万世帯を超える施工実績を誇り、500戸を超える大型マンションの工事を任されている。
電気設備工事の施工会社として、行政の格付けである経営事項審査の上位1.6%のAランクに分類されており、売上高は年間15億〜20億円で推移、安定した実績を重ねている。
電気工事には、工事全体の運営・管理を行う現場代理人と、実際に工事を行う電気工事士がいるが、同社が担うのは前者。新卒は、基本的に現場代理人としての採用になる。
カラフルな作業着は、 作業着っぽくないデザインを志向。女性の声を取り入れて創られた
充実しているのは研修制度だ。同社では入社直後から、業界基礎知識、現場での仕事内容、電気の基礎知識、図面の読み解き方などを学び、入社から1年で全員が電気工事士(2種)の資格を取得する。社内には電気工事の練習ができる研修施設があり、事務職でも工事現場の支援や作図業務など、専門性が身に付くキャリアプランが設定されている。
「当初は『男性社会』といわれる建設現場で女性がどう受け入れられるのか? という心配もありましたが、女性は戦略的に柔らかな対応をするなど、職人たちへのサポートが上手で、逆に現場が明るくなり、活気づくなどの効果がありました」(牧野社長)