入社後10年以上の社員は
「独立支援制度」の対象に
同社のユニークさは、とにかく業界の常識にとらわれないことだ。図面を基に工事費用を算出する「積算」を一般事務の女性に任せているのもその一例。キャリアパスも独特で、5年後の転職を応援したり、10年後の独立・起業を支援する制度を作っている。人材の流出は一見会社の損失にも思えるが、「転職の応援は、結果的に優秀な人材が集まり、独立後の活躍は会社としての新たなネットワークの構築にもつながります」と牧野社長は利点を訴える。
そして現在力を入れているのが、仕事の効率化と働き方改革。工事現場の施工管理は、通常1物件を1人で担当するが、この方法だと工事現場で発生する全ての業務が1人に集中し、引き継ぎも困難になる。そこで“裏方”で補佐する人員を配置して、汎用性の高い業務をサポート、施工管理は3人3物件を担当できるようにした。
さらに毎年9日間連続の「長期特別休暇」を全社員に導入。“自分がいなくても工事が進行する”状態を、当たり前につくることを奨励している。「世の中が変わることを恐れるのではなく、世の中を変える側に立ちたい」と語る牧野社長。人材不足が危惧される建設業界で、ひときわユニークな輝きを放ちながら成長を続けている。
(入社1年目 日本女子大学出身)
働きやすい環境でいろいろな思いをサポートしてくれる場
現場では、図面通りに施工されているかのチェックや、施主に提出する工事写真の撮影や整理など、事務所ではCADで弱電図面の作成をしています。大学では意匠設計を学んだのでディスプレイ業界が希望でしたが、就職活動での牧野社長との出会いを失いたくないと思い入社しました。大学時代に学んだ建築の知識と、入社後に学んだ電気の知識が結び付いたときに、一番やりがいを感じます。電気が建物に流れる仕組みを現場で学びながら、日常生活に近いレベルで建築に関われるのが魅力。働きやすい環境で、いろいろな思いをサポートしてくれる場です。
(入社1年目 日本女子大学出身)
「転職してもいい」という社長の言葉で入社を決意
現在の仕事は、コンクリート打設前の床、壁スリーブのチェックなど現場でのチェック作業と、弱電配線図の作成です。電気に全く興味がなかったのですが、就職イベントで牧野電設のことを知り、その後現場見学や社員の方に会ってひかれました。入社を決めた理由は「転職してもいい」という社長の言葉と、すでに働いている女性社員の存在でした。今後は働きながら、建築・施工管理、電気に関する資格を取りたいと思っています。現在は先輩社員から材料や施工方法について教えてもらっている立場、いずれ自分が後輩に教えられるようになりたいと思います。
会社の理念は全て「経営手帳」の中に
毎年更新される「経営手帳」には、会社の理念が全て記述されている。「長期特別休暇」の欄には、「社員は年に1回、必ず9連休を取得する」とあり、別ページの年間スケジュール表には、誰がいつ9連休を取るかが"印刷"されている。「業務多忙を理由に使わない者は、『スケジュール管理能力の不足』として評価を下げる」など徹底している。
牧野電設株式会社 https://www.makino-d.co.jp/