「いい服だなと思ったらRENUだった」を目指す
RENUプロジェクトの製品は、2020年の春夏物から店頭で展開される予定だ。例えば、米国高級バッグブランド「ハンティングワールド」の「ボルネオチャリティーコレクション」では、RENUを使ったトートバッグが3月より販売される。
下田氏は「“サステナブル素材だから”売れるのではなく、手に取った良い商品がたまたま“RENU”だった、という形を目指したい」と語る。
2020年3月に発売予定の、ハンティングワールドのリバーシブルトートバッグ。裏側にRENUが採用される予定(左)。RENUの生地サンプル。元の古着や端切れがどんな色でも、RENUで再生される糸の色はバージン原料と同じなので、この糸を織って作った布地は、好きな色に染められる(右)
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RENUプロジェクトの特徴は、自社だけのクローズドな形ではなく、ファッション産業に関わる多くの関係者、そして将来的には消費者も参画できる仕組みになっていることだ。
伊藤忠商事・繊維カンパニーでは、原料から製品、そして海外も含めた様々な部署や事業会社を横断し、RENUプロジェクトを進めていく。「我々がバリューチェーンの各プロセスで一歩ずつ前に進むことが、ファッション産業全体のサステナブル化につながると確信しています」と清水氏は語る。「売り手よし、買い手よし、世間よし」という伊藤忠商事の“三方よし”の創業精神が、RENUプロジェクトでも具現化されようとしている。
伊藤忠商事・繊維カンパニー
清水源也 エグゼクティブバイスプレジデント
清水源也 エグゼクティブバイスプレジデント