デロイト トーマツ グループは、過去6回にわたり開催してきたイベント「CFO VISION」を刷新し、「Finance Leaders Summit」として2019年11月28日、パレスホテル東京で開催。日本を代表する企業のCFOや次世代のCFO候補である経理財務部門の幹部が多数参加した。
「Finance Leaders Summit 2019」のテーマは、「Winning in a Disruptive World」。創造的破壊の波にさらされるビジネス環境の中で、企業がどう生き残っていくかについて、さまざまな指針が提示された。
開会の挨拶に立ったデロイト トーマツ グループCEOの永田高士氏は、「デジタル・トランスフォーメーションの時代を迎えた昨今の企業経営は、数年前と比較できないほど変化が大きく、ディスラプションの波はますます激しくなっています。経理財務部門においては、デジタル化が進展する社会において、これまでにない投資やビジネスを進める意思決定を下していくことが、新たな課題となっているのではないでしょうか」と投げかけた。
変革の時代にあって、多くの企業がイノベーションの必要性を認識しているが、日本の大企業は、欧米企業に比べてイノベーションが生まれにくいとの指摘もある。一方、ユニコーン(評価額10億ドル以上の未公開企業)を筆頭とした新興企業群が、デジタル技術を駆使して攻めのビジネスを展開し、国内外で勢力を拡大。その活力を取り込もうとする事例も国内で見られるようになっている。
永田 高士氏
「デジタル変革へ対応することの重要性を理解しつつも、具体的な施策を打てない企業も多いようです。日本の持続的成長をさらに活性化させるためにも、企業にとって大切な攻めの経理財務部門のあり方について議論を深めたいと思います」と話した。
イノベーションの実現は顧客課題から出発すべき
最初の基調講演で登壇したのは、一橋大学イノベーション研究センター教授の軽部大氏。「イノベーションを見る眼・生み出す力」と題して、イノベーションの基本的な見方を提示するとともに、イノベーションと企業・社会変革との多面的関係について持論を展開した。