選ぶトキメキ、味わう楽しさ、買う時のワクワク感を演出し、世界中に日本酒ファンを広げたい――。敷居の高かった世界をシンプルに見える化し、それぞれに秘められた物語を伝える日本酒情報ツール「SAKELOGY(サケロジー)」。5500銘柄に及ぶ膨大なデータベースを強みに、飲食店や小売店向けに日本語・英語の双方に対応した日本酒銘柄メニューを提供している。インバウンドビジネスで挑戦を続ける女性起業家が、日本酒というグローバルコンテンツに懸ける思いとは。
伝えるべきは、
シンプルな情報と造り手の物語
――サケロジーは、日本酒選びを感動体験に変える、全く新しいウェブサービスを展開しているそうですね。詳しい内容を教えてください。
星野(以下略):そもそも日本酒の世界って、初心者にはちょっと分かりにくい世界なんですよね。飲食店の銘柄メニューには、商品名と価格、あとはせいぜい「吟醸」「本醸造」といった分類くらいしか載っていないですし。じゃあ店員さんに聞いてみようとなっても、専門用語を並べられてよく分からなかったりする。反対に、アルバイト店員さんだとうまく説明できない場合もあります。とにかくお客さんが知りたいのは、「冷やで飲むのか、お燗で飲むのか」「どんな料理に合うのか」といった基本的なこと。実際に飲んでおいしいと思った時に、初めて「どんな蔵元が、どのように造っているのか」が気になるものです。要するに、必要なのはテクニカルな業界知識じゃない。そこで当社では、日本語と英語の両方に対応した日本酒情報ツール「サケロジー」を飲食店や小売店向けに展開しています。
飲食店は約5000銘柄の日本酒データベースの中から自店で取り扱っている商品を選び、クラウド上で日本酒メニューを簡単に作成することができます。しかもそのメニューはデジタル(ウェブの閲覧メニュー)だけでなく、アナログ(紙ベースのテーブルメニュー)にも対応していて、店舗の状況に合わせて、使い勝手がいいようにしています。なお、データベースは常時更新されているので最新情報がメニューに反映されますし、各店舗で取り扱う銘柄に入れ替えがあった場合にはタップしてメニューを差し替えるだけ。ですから、季節限定のメニューづくりも簡単です。
来店客は店舗にあるメニューからQRコードを読み込むことで銘柄の特徴や美味しく飲める温度だけでなく、蔵元が発信する詳しい情報を見ることもできます。また、「天ぷらに合うお酒は?」といったように、食べたい料理に合わせて日本酒を選ぶ機能も付いています。反対に、飲みたい日本酒に合わせてオススメ料理を選ぶことも可能です。