予算と実績の乖離が、ほぼゼロに
――社内のデータを一元化し、可視化できるDomoの機能を組み合わせることで、SFAが本来の機能を発揮できるようになったわけですね。その他には、どのような効果があったのでしょうか。
平之 営業担当者の業務効率もかなり改善されたようです。広域法人第二営業本部では、SFAに営業活動報告を入力するようになったことで、それまでは別に提出していた営業報告書を作成しなくても済むようになりました。他の業務における効率化も含めると、約1000万円の人件費に相当する業務を半年で削減できたという報告を受けています。
小松 営業活動の結果は自動的にDomoの予測データに反映され、それを課内や本部内で共有できるので、課長と営業担当者の個別面談も回数が減りました。広域法人第二営業本部では、会議も紙の資料ではなく、8~9割はDomoで自動作成したデジタル資料を見ながら行っているようです。
何より、Domo活用の効果を実感したのは、予算と実績の乖離がなくなったことです。広域法人第二営業本部がSFAとDomoの活用を推進したところ、スマートフォンの受注に関する期初の予算と実績の差が、ほぼゼロになりました。
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データの重要性に対する営業担当者の意識が高まり、より正確な情報を入力しようという取り組みが根付いたことで、一人一人の努力目標ではなく、実現可能性の高い予算を設定できるようになったのです。
法人事業全体でいえば、わずか数%の見込み違いで、数億円、数十億円という単位で利益予測と実績がぶれてしまいます。予算と実績の乖離がなくなることは、法人事業ひいては会社全体として利益予測の精度が大幅に向上することを意味します。
このように、広域法人第二営業本部が取り組んだプロジェクトは、データドリブンな営業活動を実現する上で非常に大きな成果だったと考えています。業務改善効果も大きかったことから、プロジェクトを主導した2人の女性社員は、社内表彰制度である「SoftBank Award」(ソフトバンクアワード)を受賞しました。
――データドリブン経営のさらなる推進に向けた、今後の展開についてお聞かせください。
平之 広域法人第二営業本部がSFAとDomoを活用するベストプラクティスを確立してくれたので、今後はそのノウハウを法人事業全体に横展開していきたいと考えています。
現在、Domoのアカウントを付与しているのは広域法人第二営業本部を除くと課長以上のみですが、全ての営業担当者に順次アカウントを付与し、法人事業全体の予測精度向上と業務効率化を実現していきます。
小松 何らかのアクションが必要な事象をデータで把握すると、Domoがアラート(警告)を出してくれる機能なども活用していきたいですね。
当社は、5G(第5世代移動通信システム)やIoTなどの最先端テクノロジーによって、法人のお客さまのデジタルトランスフォーメーション(DX)やデータドリブン経営を支援するさまざまなサービスを提供しています。
そうしたサービスの価値を高めるためにも、われわれ自身がもっとデータドリブン経営を高度化していく必要があると考えています。
――本日はありがとうございました。