またコロナによる死者は貧困層が住む地域に圧倒的に集中しており、心臓病や糖尿病といった長らく放置されていた疾患が死に寄与している。だが、これは他の大都市にも共通する。

 公共交通機関に大きく依存していることも要因の1つのようだ。他の主要都市では、車通勤がより一般的だ。

 チャップマン大学(カリフォルニア州)で都市研究を行うジョエル・コトキン氏は、これら3つの要素がすべて集中したことで、致死率を高めた可能性があるとみる。「人口密度、貧困水準、公共交通機関への依存をすべて統合すれば『ハットトリック』だ」

 しかし、それでもニューヨークだけが飛び抜けて破滅的な状況に追い込まれていることを説明できないかもしれない。世界的には、危機の初期段階で医療システムが機能不全に陥ったところで、死亡率が最も高くなっている。これは、イタリア北部で特に顕著だった。伝えられるところでは、少なくともニューヨークでも同じことが起こったように見える。多数の患者は病院までたどり着けず、病院に運び込まれた患者もすでに手遅れか、医療関係者が対処不可能な事態に直面し、効果的ではない治療を施された可能性はある。

 政策も責任の一端を担うだろう。他の当局者に比べて、ニューヨーク市長や州知事のウイルス感染拡大への対応が遅れたのではないかと問うことは妥当だ。

 ニューヨークが、さらには米国についても、なぜここまで悲劇的な結果を招くことになったのか、全容を把握するには当面かかる見通しだ。だが、われわれは「ここに住む多くの人々」より、おそらくうまくやる必要があるだろう。

(The Wall Street Journal/Gerard Baker)

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