市場に出回るレモンフレーバーの
無糖炭酸水の満足度は?
好調な販売が続く6月2日、同社は派生商品としてキリンレモンブランド初の無糖炭酸水「キリンレモン 無糖」を発売した。なぜ、キリンレモンの特長である甘味を無くした商品を開発したのか。その答えを探る前に炭酸飲料市場を概観しておこう。
「キリンレモン 無糖」の味わいはキリンレモンそのもの。糖質制限を気にせずにごくごく飲める。アルコールの割り材に使えば家飲みが一層楽しくなりそうだ。450ml・PET、100円(消費税抜き商品希望小売価格)
炭酸飲料には、コーラや果実系炭酸に代表される着色の有糖炭酸、キリンレモンのような透明の有糖炭酸、そして無糖の炭酸水がある。昨今の健康志向の高まりにより、無糖炭酸水のカテゴリーは拡大を続けており、飲料市場が伸び悩む中、唯一「5年成長率(15~19年の販売箱数5年平均成長率)で二桁増と大きく伸長しています」(脇山主任)
成長を支えているのが2層の消費者――砂糖離れの意識から有糖炭酸やコーラから流れてきた層と、もともと健康志向で砂糖レスのお茶や水を飲んでいたが炭酸の刺激を求めて流入してきた層だ。そして彼らは「飲みやすさ」を求めてプレーンな無糖炭酸水ではなく、かんきつ系などのフレーバーを加えたタイプを選ぶ。
ところが、後者の代表であるレモンフレーバータイプの味わいには「無糖炭酸水ならではの苦味と酸味を感じるのは当たり前と考え、『無糖ならこんなものかな』と無意識の内に納得して飲んでいる方が多いと市場調査の結果分かりました」と脇山主任。
「その不満を知ったときに、健康をDNAに持ち、レモンに90年以上こだわり続けてきたキリンレモンなら、無糖でもお客さまが『おいしい』と満足できる商品を作ることができるのではないかと考えたのです」と脇山主任は明かす。