ユーザーが安心・安全に
利用できる
クラウドの条件とは?

 クラウドは、スマートフォンやタブレットなどスマート・デバイスの急速な普及も後押ししています。スマート・デバイスの多くは、サービス、アプリの利用に伴うデータをクラウド上に保管し、複雑な計算処理をクラウド上のコンピュータによって行います。スマート・デバイス上のアプリとクラウド上のITサービスが連携することにより、高度なサービスが実現されるのです。

 ユーザーに最適化された情報提供を行うために、スマート・デバイス側の位置情報などと、クラウド上に蓄積されたメールやWeb閲覧履歴などの情報が組み合わせて使われることもあります。それぞれの情報は断片的なものであっても、組み合わせて処理することにより、サービス事業者は正確なユーザー像を把握できるのです。

 もちろん、スマート・デバイス側の情報もクラウド上に蓄積される情報も、ユーザーのプライバシーや利益に関わる保護されるべき情報です。事業者がサービス提供時にそれらの情報を収集、利用する際には、どのような情報をどういった理由で収集、利用するのかをユーザーに明示し、同意を得る必要があります。情報の漏えいや誤用、悪用を防ぐための規定や仕組みも必要です。

 スマート・デバイスやクラウドから収集した膨大な情報をビッグデータとして企業がビジネスに利活用する動きが広まりつつある今日、ユーザーのプライバシーへの配慮や情報セキュリティへの対応がますます重要になっているのです。