建設業界の中で先行して
働き方改革を断行
前田 建設業は、過去に3K(きつい、危険、汚い)などと言われ、やりがいはあっても残業が多くて休日が少なそうというネガティブなイメージがあります。富士古河E&Cでは、日下さんが社長自ら働き方改革のチームリーダーとして労働環境の改善に取り組んでいます。具体的にどんな取り組みをしているのですか。
日下 「気合と根性」で、現場で何とかするというのは大昔の話です。17年から全社挙げて2段階で改革に取り組んでいます。まず、それぞれの現場の業務を徹底的に見える化し、残業が偏っているところは全社のリソースを投入して業務を平準化しました。その結果19年には、残業は前年比で15%減りました。
並行して、3年をめどに抜本的な業務改革も始めています。全ての業務を棚卸しして、削れるものを見極め、IT化できる部分をプラットフォームに載せて一気通貫で効率化する、そのための仕様を詰めている最中です。もちろん当社一社だけで効率化できない部分もあり、元請け企業とも連携して業界全体で変えていこうという機運にしていかなければならないでしょう。
前田 最後に、求める人材像についてお聞かせください。
日下 大きなプロジェクトをまとめることにやりがいと喜びを感じる人、人と協力したりコミュニケーションを取ったりすることをいとわない人、新しい事業に対する探求心が強い人、そして、自分のやりたいことにこだわり切る人です。
盤石な経営基盤をもとに、機会を捉えてここまで右肩上がりで成長してくることができました。ここから先は、ボトムアップで、新しい企業カルチャーを作りながら、さらにもう一段の成長を遂げるステージに入ります。企業を取り巻く環境はデジタル化の進展など変革期にあり、無限にチャンスが広がっています。「生涯エンジニア」として、皆さんの力を生かして、私たちと一緒にぜひ新しいチャンスに挑戦してほしいと思います。
編集長独白
社会・産業インフラをつくる旧財閥系のグループ企業と聞いて、「お堅くて官僚的な企業」なのではないかという先入観を持っていました。ところが、取材でお会いした日下社長を含め社員のみなさんは本当に気さくで謙虚な方ばかり。普段の職場の雰囲気が察せられ、私の先入観は見事に裏切られました。
コロナ禍でもびくともしない安定した経営基盤を持ち、時間と手間をかけて大事にエンジニアを育成し、働き方改革を業界に先駆けて断行する同社は、統合から10年が経過して「第二の創業期」を迎えています。今後どんな変化を遂げるのか、非常に楽しみな企業です。
ダイヤモンド就活ラボ編集長 前田剛
お問い合わせ先
富士古河E&C株式会社 | https://www.ffec.co.jp/ |
採用サイト | https://www.ffec.co.jp/recruit/ |