職種によって違う、ビジネス向けPCの選び方

 テレワークやリモートワークを行なう場合のPC選びは、オフィスで利用する従来の場合とは、重要なポイントが大きく異なってくる。

 一つ目は持ち運びのしやすさだ。会社のPCを持ち帰ってテレワークやリモートワークをするとなると、据え置き型のデスクトップPCは厳しい。ノートPCでも大型の製品よりは、重量1~2kg程度の軽量で可搬性に優れた製品が選択の中心になる。

 また、可搬性に優れているといっても、画面が小さすぎるPCでは作業性が落ちてしまう。仕事の生産性を上げるためには、可搬性に優れていてもそれなりに大画面のディスプレイが必要と言える。具体的には13型~15型程度の大きさのディスプレイがいいだろう。事務職のユーザーであれば、数字の入力の頻度が高いと考えられるので、最近の流行である15型級の大きなディスプレイと数字の入力を容易にするテンキーがついているモデルなどが適している。

 CPUやメモリ、ストレージといったPCの基本スペックにも注目したい。従業員がPCを利用して作業をする際、CPUやメモリ、ストレージなどに十分な性能や容量がなければ快適に利用することができない。快適に利用できないということは、それだけ生産性が下がるということにつながる。その意味で、初期投資として予算の範囲内でできるだけ高いCPUを選択したいところだ。CPUのグレードは、Core i7、Core i5、Core i3などの数字で示されており、数字が大きければ大きいほど性能が高いことを示している。メモリ/ストレージは現在の主流は8GB/256GBの組み合わせで、余裕があれば16GB/512GBにしておくと快適に利用することができる。

 なお、テレワークではPCが外に持ち出されることになる。このため、盗難や紛失に備えてデータの保護措置を講じておくことが重要だ。“企業向けWindows 10”となるWindows 10の上位版「Windows 10 Pro」ではデータの暗号化機能として「BitLocker」という暗号化機能が用意されているので、購入時のカスタマイズで「Windows 10 Pro」を指定しておくことがお薦めだ。