DXとは正解のない問いを考える道程。アーキテクチャはその道を拓くカギになる

独自チャートによって
現在地と目指すべき姿を見える化

 岩本氏は、「現在地を把握」することの重要性を強調する。定量的かつ客観的な指標に沿って現在地を評価できるよう、独自の評価基準によるアセスメントモデルを作成している。

 たとえば、家電メーカーが2社あった場合、ネット家電などの業界の変化を追随することなく(ディスラプション対応スコアが低い)、DXの対応に必要なアーキテクチャを構築できていない(DXスコアが低い)場合、次頁図表1の左下のポジションとなり「思考停止」状態になっているといえる。追随できている=危機感を持ってDXを進めており(ディスラプション対応スコアが高い)、DXに対応できるアーキテクチャを構築できている(DXスコアが高い)場合は、同図の右上にポジショニングされ、業界の「ディスラプター」になりえる。このように業界のディスラプション状況に関連付けながら、自社のDXの現在地を定量的に評価し、可視化できる点が大きな特徴だ。

 自社の現在地が明確になったら、市場のディスラプターのポジションを把握し、どのような戦略ルートで目指す姿にたどり着くのか検討することになる。業界のディスラプターとの競合を避け独自のDXを目指す場合(図表2の変革ルート1)、またディスラプターとの勝負・協調によりDXを目指す場合(図表2の変革ルート2)など、ディスラプション対応のためのルートや戦略は多岐にわたるが、いずれの場合もDXを実現するため、ケースごとに最適なアーキテクチャの選定が重要となる。

「DXのスタートから実現まで、すべてのプロセスを企業に寄り添って推進していくのが私たちの任務だと考えています。このチャートで『現在地を把握』した後、企業の目指すべき姿を踏まえ、変革のロードマップを策定していきます」

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