DXとは正解のない問いを考える道程。アーキテクチャはその道を拓くカギになる

DX推進には経営層の
本気度が試される

 ただ、日本企業のDX推進の可否を左右するのは、テクノロジーやアーキテクチャの問題だけに留まらない。多くの企業がシステム開発・運用を外部に委託してきた「ベンダー任せの体質」や、ビジネスサイドとIT部門のディスコミュニケーション、そして何よりもDXに対する当事者意識の欠如、時代や市場の変化に対する危機意識の希薄さなど、問題は多岐にわたる。

 岩本氏はこれらの解決のヒントとして、まず「PoB(Proof of Business)を手軽に実施できる環境整備(組織・制度・仕組み)の必要性」を挙げる。PoBとはDX推進のための戦略や企画の妥当性の検証を指すが、これをいかにビジネスの要請に応じて迅速に実行できるか、そのスピード感が変革のポイントになると指摘する。

 国内でも流通業などでは、こうした試みが比較的進んでいる一方、DXを標榜している老舗の大手企業でさえ、組織が大きく縦割り意識が強いためサイロ化が進み、柔軟に他部署と連携してPoBを行うことが難しいケースも多い。

「事業部門からの注文が来てから情報システム部門がコストや工数を折衝して、やっと開発に着手した時には何カ月も経っているというケースも珍しくありません。このようにPoBを身軽に実施できる環境を持っていないのは、いまの世の中では非常にマイナスに働きます。アジリティ(機敏さ)を上げることがDXへの近道です」

 そして何よりも重要な点として、岩本氏は「経営層の本気」を挙げる。けっして教科書的な抽象論ではない。経営層が改革の姿を明確に描き、ビジョンを掲げ、そのビジョンを自身の言葉で語り本気度を示すことで、効果が期待できるという。

「DX推進の組織のあり方は企業によってさまざまです。DX推進組織を組成するところもあれば、ビジネス部門とIT部門を融合させるところもあります。その企業ごとの形があっていいと考えていますが、DX推進が成功している事例に共通していえることは、経営者の本気度が浸透していることです。真剣で明確な経営マインドの下で立ち上がった組織は、うまく機能します」

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