医療用医薬品卸のリーダーが挑む、業界横断のサプライチェーン変革

ルート営業からソリューション営業へ
行動変革をもたらす

 NOVUMNは、医療機関にとってもさまざまなメリットをもたらす。

「患者様の治療計画や投与スケジュールに応じて、私たちが事前に医薬品を準備してお届けできるので、薬剤師が発注に追われることがなくなります。また、ドクターにとっても、複雑になりやすい投与スケジュール管理が容易になります」

 アルフレッサはさらに、地域医療の将来も見据えている。超高齢社会を迎えた日本では、政府が地域医療構想の取り組みを進めているが、「アメリカなどでは希少疾病の場合、治療を受けられる病院が州に2つしかないといったことも珍しくありません。それに比べて、全国どこでも質の高い医療が受けられるのが日本の医療制度の特長です。たしかに日本でも希少疾病となると、大きな診断や治療方針の決定は大都市の医療機関で行うことになるでしょうが、日々の治療は地域の病院が担うことになるでしょう」と現状を語る。

 ただし、スペシャリティ医薬品は保冷管理のものが多く、わずかな温度変化などによって有効成分が変質してしまう可能性がある。そのためサプライチェーン全体での厳格な温度管理やトレーサビリティが不可欠になるが、この点でも、NOVUMNを利用することで、設備投資や在庫を抑制できるメリットがある。

「トレーサビリティにより、たとえば、特定の医薬品を使っている患者様の減薬や中断などの発生もすぐにわかります。そこで、薬が効かなかったのか、副作用が出たのかなど、迅速に要因を把握し対応できれば、治療が継続できるのです。そういう点では、製薬メーカーのMRや卸のMSの活動も、従来のルート営業からソリューション営業へとシフトしていきます」

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