挑戦する中小企業たちを支えたECの威力

DX導入で飛躍する中小企業の“いま” vol.1

【事例2:サンドロッツ】
ダイレクトに顧客の声を聞けるECを重視
カスタマーレビューを飛躍的成長の原動力に

売れ筋商品の小型プロジェクター

「365日を楽しく」を企業理念とするサンドロッツは、19年にオリジナルのオーディオ・ビジュアル機器ブランド「FunLogy(ファンロジー)」を立ち上げた。現在の主力商品は家庭用のプロジェクター、スピーカー/サウンドバー、そしてモバイルモニターである。

「ネーミングの由来はFun+Technologyから。科学技術とガジェット(目新しい道具)によりお客さまの毎日を楽しくする、というコンセプトです。プロジェクターは、コロナ禍が拡大し“巣ごもり消費”が高まったこともあって現在はコロナ禍前の2倍近い売れ行きです。モバイルモニターは、市場のニーズを読んで急ピッチで開発を進め20年12月に発売。こちらも販売は絶好調です」(代表取締役社長・植村祐貴氏。以下、同社のコメントは全て植村氏)

「趣味の一つが読書。伊賀泰代さん著の『生産性』と『採用基準』は何度も読み返しています。社員の健康を考えて、デスクは高さが調整できるタイプに」

 同社のEC担当部門が重視しているのが、顧客の声を丁寧に聞くこと。カスタマーレビューとカスタマーサポートに寄せられる意見や要望に真摯に耳を傾け、商品開発・改良やファンロジー・ブランドの価値向上、顧客とのエンゲージメント強化に生かしているのだ。

「カスタマーレビューはECならではの強み、メリットだと考えます。きちんと受け止め日常的に反映し、スピード感のある商品改善、すでに購入したカスタマー向けのアップデートファイルの提供などを行っています。また、新商品のアイデアがそこに無数にある。ダイレクトに声が届くEC、カスタマーレビューはある意味革命的で、お客さまの心の琴線に触れる商品開発に不可欠です」

 取材当日にも新たなエピソードが生まれていた。同社のモバイルモニターを購入したあるユーザーからの要望を受け、改善したカバーを無償で発送したというのである。

ポータブルスピーカー(左)とコロナ禍拡大中に急きょ開発・発売したモバイルモニター(右)

「一人のお客さまから、モニターカバーのマグネットの磁力が強過ぎて操作しづらい。予期せぬ動きをしてしまう――という声がカスタマーサポートに寄せられました。商品開発チームに迅速に伝え、磁力を調整した改良型カバーを作り、ご意見を頂いたお客さまに送りました。事前にその旨をお伝えしたら『心から感動した! こんなサービスは初めて』と言っていただけました。お客さまとの絆、信頼関係がさらに深まったのではとうれしいです」

 同社はメールや電話の他、LINE公式アカウントを利用したチャットによるサポートも行っている。徹底してユーザーに寄り添う姿勢や、寄せられた声を反映した製品ラインアップのコストパフォーマンスの高さがユーザーにしっかり伝わっているのだろう。Amazonのカスタマーレビューでの★(星)評価は総じて高い。

問い合わせ先

アマゾンジャパン合同会社
https://www.amazon.co.jp/
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