アフターコロナを見据えたDX戦略の実行と海外展開の強化
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話はコロナ禍の前にさかのぼる。
ECの売り上げの伸びが鮮明になり、Fantia、とら婚という新事業も軌道に乗った。そこで議論になったのが既存店舗のこれからだった。
当時は秋葉原へのインバウンド需要が非常に高く、台湾など海外のクリエイターも増えていたこともあり、海外展開も想定した戦略を練るべきだという意見が出た。吉田代表取締役をはじめとする経営陣は、限られた経営資源を効率よく使うために、ECを主軸に据え、店舗を旗艦店に集約・新業態への転換を進めつつ、事業と組織機能のDX、グローバル化を進める方針を決めて従業員に“とらのあなは変わる”というメッセージを発信し、かじを切った。その直後、コロナショックが到来。店舗から活気が消えた。
「店舗事業の変化は経営的には合理的判断でしたが、われわれにとって簡単に消化し切れない難しい決断でもありました。図らずもコロナショックは従業員の考え方を変える一因となり、新たな事業ビジョン実現のために全社一丸となって事業推進ができています」と吉田代表取締役は振り返る。
「今後の展開としては、ECについては顧客ごとにカスタマイズされた提案のできるようUXをアップデート、Fantia事業はサービスの縦横展開を通じて成長させ、共に多言語化対応と海外ユーザーの利便性向上に力を入れ、いわゆる『グローバルニッチのトップ』を目指していきます。同時にそれらの事業やエンジニア組織拡大への投資を中心に、利便性の高い豊富なオンラインサービスを提供していきます。イベント会社さまとも協力しながら、世界のお客さまにクリエイターさまの作品を届け、同人文化の継続に貢献していきたいと思っています」(吉田代表取締役)
DX対応を強化して店舗からECへ移行、サブスク事業の充実、積極的な海外展開……とらのあなの事業構造は大きく変わる。しかし、クリエイターのためになる仕事をするという根幹は、今後もぶれることはない。
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