勤務状況や進捗情報をビジュアル表示できるのが魅力
――イー・アンド・エムでは20年8月に導入を決めたそうですが、同サービスを選んだ理由と導入スケジュールについて教えてください。
東 先ほど言ったように、部署ごとではなく、プロジェクト単位のチーム管理に適したツールを探していました。例えば、第一開発部と第二開発部の編成チームといったように、組織を横断することもよくあるからです。その条件にマッチしたのが『NEC 働き方見える化サービス Plus』でした。
チームごとにメンバーの勤務状況や進捗情報などを柔軟にビジュアル表示できるのが魅力の一つです。従業員に開示する情報や使用する機能を自由に設定できる点も、利用目的がはっきりしている当社に適していました。加えて、操作しやすく事前準備が容易なこと、少人数から実験的に始められること、1利用者当たりのコストが比較的安価だったことも決め手となりました。
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導入スケジュールについては、20年8月に準備を開始し、9月に小規模のトライアル期間を経て導入を決定。10月から対象チームを増やし、12月からはテレワーク対象者全員が利用しています。1チーム当たりの人数は3~15人程度。同サービスの利用枠は100人から徐々に増やし、現在は250人となっています。
「ひとことコメント」がコミュニケーションを活性化
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――導入後はどのように活用し、どのような成果が上がっていますか。
東 この手のツールを導入すると、メンバーは「監視されている、見られている」と感じ、嫌がるのではないか、マネジメント層は「いろいろ管理ツールが増えて面倒」と感じるのではないかと懸念しました。
そこで当社では「コミュニケーションツール」と位置付け、パソコン操作時間のグラフや時間外勤務状況などをお互いに確認することで、声を掛けるきっかけにしてもらえるようにアナウンスしました。テレワークに伴う孤独感を少しでも軽減して、作業効率の低下を抑止するのが狙いです。導入前に全社セミナーを開催し、そうした導入目的と使用機能について説明しました。
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コミュニケーションのきっかけになっているのが「今日メール」や「ひとことコメント」「今日の気分をアイコンで示す機能(画面参照)」です。「今日メール」はその日の業務予定を共有する機能で、「〇〇の業務で1時間残業します」「午後はA社で打ち合わせです」といったように予定を書いています。
一方、「ひとことコメント」は「昨日釣ったアジの刺身は最高でした」「今日はライブ配信があるので定時で帰ります」など、雑談のような感覚で使っています。ダッシュボードでコメントを見て話し掛けたり、数日ぶりに顔を合わせたときの声掛けのネタになったりしてコミュニケーションの活性化に役立っています。
成果としては、懸念していたテレワークによる業務効率の低下は見受けられず、むしろメンバーの業務の遅れが把握できるようになり、早めの対策が打てるようになったという声も上がっています。実際、残業については導入前後で約6%程度の低減が実現できています。
また、部下の働き方が可視化されてきめ細かくフォローできるようになり、リーダーの責任感が強くなりました。例年通り新入社員の育成ができているのも、同サービスの導入効果が大きいと思います。