熱中症対策に取り組む企業への福音となるか 過酷な夏を乗り切る新飲料の「効果」

仮面ライダーを救え!
暑さ対策ハッカソン

東映は「ハッカソン」(大人数で集中して行う開発・研修作業)を実施し、熱中症対策を啓発

 劇場用映画・テレビ映画などの映像を制作している東映の場合、「特に夏場の撮影ではロケ・スタジオ内撮影を問わず熱中対策が必要になる」と、経営戦略部グループ戦略室兼ハイテク大使館の飯田友都係長(以下、東映の全てのコメントは飯田氏)

「撮影内容により規模も異なりますが、特撮作品などにおいては1つのチームで50人以上が関わっており、屋外での撮影では全員の対策が必要になります。また、屋内のスタジオ撮影でも強いライトが当たるため、出演者は熱中症を意識する必要があると感じています」

 そこで2019年、東映では現場の暑さという問題を少しでも解決し、意識を変えていくために「仮面ライダーを救え! 暑さ対策ハッカソン」を企画し実施した。

東映
飯田友都 係長

「ハッカソンを行ったからと言ってすぐに解決するわけではありませんが、持続可能な映像制作を考えるきっかけになったと思います。『暑さ対策ハッカソン』には、仮面ライダーをはじめとする特撮作品に関わる人々に加えて、被服学を専攻とする大学教授や産業医などにもご参加いただきました。その中で大切な対策としてプレクーリングが挙げられ、事前に深部体温を冷やすことで体温の急激な上昇を抑える意義と重要性を知りました。具体的な方法としてはアイススラリーの摂取と手先の冷却でした」

 アイススラリーに関しては、20年7月、8月ごろに大塚製薬のサポートを受けて、導入した。撮影所内に冷凍庫を設置し、製作スタッフやアクションチームが撮影の都度必要数のアイススラリーを手配する仕組みだ。 飯田係長は、アイススラリーは「手軽さ」が出演者やスタッフに評価されていると話す。

「撮影に集中する現場では小難しい説明や多くの手順、テクニックが必要なものはなかなか定着しません。その状況の中、凍らせてさっと飲むだけというのは、忙しい夏の撮影現場には合っていると考えています」

東映の撮影スタジオにて、アイススラリーやプレクーリングを大塚製薬の担当者が紹介

 アイススラリーの評価は高く、アクション俳優からは、暑いという感覚があるのは変わらないが、感覚として頭がボーッとするような状況は少なくなったという声が寄せられた。また、のど越しや冷たさといった“おいしさ”も好評の一因だった。

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