グローバル化や
キャンパス再編も

 大学教育の変化を語るもう一つのキーワードが、グローバル化である。留学を学位取得の条件にするコースが登場するなど、国際社会を生き抜くためのカリキュラムを提供する大学が増えた。留学生の受け入れを増やし、英語だけで行われる授業を設けるなど、学内の国際化も進む。国際学生寮を設置・拡充する動きもある。

 キャンパス再編・再開発も加速している。特に目立つのは、都心回帰の動きだ。アクセスのいい都市部のキャンパスを再開発して、郊外のキャンパスと統合するケースが多い。

 4年間同じキャンパスで学べるよう、学部ごとにキャンパスを再編する大学もある。少人数教育に対応する小教室の増設や最新のIT機器導入など、新たなカリキュラムとリンクしたファシリティ(設備)の整備も行われている。

「キャンパスの再開発は、カリキュラムの刷新などと連動していることが多いので、その動向を注視すると大学の教育の特色や狙いが鮮明になります」と、安田常務も指摘する。

親は社会人の視点で
進学のアドバイスを

 大学・大学院の進化は止まらない。その中で、わが子に最適の進学先を選ぶにはどうしたらいいか。まずは、大学の変化のありさまをしっかりと認識することだ。親世代のように、大学を卒業したことだけで就職に有利になるわけではない。

 どのように学び何を習得しているか、その内容が厳しく問われるわけで、そうした教育を効果的に実践しているかを確認したいところである。

 安田常務は、「オープンキャンパスには父親もぜひ足を運び、学校の雰囲気や学生たちの様子を見て、わが子に合うかどうかを見てほしい」と言う。また、「社会人として生涯の力になるものを身に付けられるか、社会人としての経験に照らして確認し、アドバイスしてほしい」と語る。