後払いサービスのペイディを買収。多様な決済ニーズに応える
現在、世界で3200万の事業者がペイパルを利用している。ペイパルはアカウント一つで、200以上の国と地域から支払いを受け取り、複数の決済方法を提供することが可能だ。国によってはBNPL(Buy Now, Pay Later;後払い決済)や仮想通貨などによる支払いにも対応。BNPLはオーストラリアや英国で定着し、若い消費者の間で人気が高まっている。ペイパルは21年9月、日本で後払い決済サービスを手掛けるペイディを買収すると発表した。これも消費者の多様な決済ニーズに応えるための取り組みである。
同市場調査でも、オンラインショッピングの利用者の40%が、希望する支払い方法が使えないと購入をやめる可能性が高いと回答している。これは売り手からすれば何とももったいない話。ペイパルを導入して決済方法を増やすことで、コンバージョン率のアップと収益の増加が期待できるわけだ。
4億人超のユーザーを持ち、海外市場での顧客獲得もサポート
二つ目の誤解は「海外市場で顧客を見つけるのは難しい」ということ。確かに安心して取引できる顧客を見つけるのは大変そうだが、二見氏は次のようにペイパルのメリットを話す。
「商売において顧客へのリーチは最も重要です。この点、ペイパルはグローバルな決済方法として普及し、世界に4億人を超えるユーザーを持っているため、世界中の顧客とのつながりを築くのに役立ちます。ペイパルのブランド力とネットワークを活用して越境ECを展開し、最良のサービスに近づけていくテスト・アンド・ラーンでコンバージョン率を高めていくことができます。越境ECのビジネスチャンスを逃さないよう、とにかく始めてみることが肝心です」
さらにペイパルでは、決済データから導かれるインサイトを踏まえながら、海外市場での顧客獲得もサポートしている。例えば、ペイパルの日本のある加盟店では、21年9月にペイパルの新規中国ユーザー向けにクーポンをプレゼントするキャンペーンを実施している。このように消費者と事業者の双方に付加価値を提供し、好循環を生み出しているのもペイパルの魅力の一つだ。