地方のホテルを買い取り
再生して地域活性に貢献
⺽杵紗季代表取締役
地方再生に一役買っているのは、リオ・ホテルズも同じだ。北海道から九州まで全国に24ホテルを展開するが、全ての施設のブランド名を統一することはしていない。その理由を同社の⺽杵(うすき)紗季社長は「(元のホテルの)オーナーさまから物件をお譲りいただくときに、ホテル名に強い思い入れがあったり、地域で愛されている名称を変えたくないというときは、そのお気持ちを尊重しています。リブランドの際には『グローバルビュー』というシリーズ名を付けています」。
ホテルの再生は、どのように行うのか。リオ・ホテルズでは、同社がコンセプトとしている「地域愛を表現する舞台」を具現化する。JR新潟駅正面にリニューアルオープンした「ホテルグローバルビュー新潟」は、フロントの壁面には阿賀野市の伝統瓦・安田瓦を積み上げ、ロビーには岩室地区の「稲架(はさ)掛け」を展示した。
ソフト面では、多くの従業員を引き継ぎ、ホテルに対する思いを聞き取ってサービス改善に生かし、各ホテルの特性に合った接客を求めた。こうしたもてなしの姿勢が競合ホテルとの差別化につながり、「ホテルを再生することで雇用が増え、地域にも好意的に受け入れられています」と⺽杵社長は誇る。
現在進んでいるプロジェクトとしては、三重県津市の中心部にある第三セクターが保有する大型ビルの再生がある。津市長が先頭に立ち、市中心部ににぎわいを取り戻す起死回生のプロジェクトだ。大手ホテルチェーンが撤退した後を受けて、同社が新ホテル「ホテル津センターパレス」を運営する。「地域の皆さまは、物件を譲渡した相手が転売せずに、長く運営をすることを望んでいます。私どもリオグループは、長期的な視野を持って個人の不動産の運用や再生を手掛けており、長く付き合える会社だと理解していただけたのだと思います」(⺽杵社長)。「地域のアンバサダーになるつもりで運営していく」というホテルの姿勢も津市の関係者の共感を呼んだはずだ。
リオ・コンサルティングとリオ・ホテルズが取り組む再生プロジェクトは、日本経済復活に不可欠な地方創生に大きな役割を果たしている。
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