2号店はさまざまな
コンテンツホルダーとの企画を募集

 22年1月には、「まちキャラ」店舗の2号店である「まちキャラ アキバギャラリー」を、銀座線末広町駅前にオープンした。こちらは駅前の路面店という強みを生かして“ギャラリー”としての役割を前面に打ち出している。新作や売れ筋商品を主体とする「まちキャラ秋葉原店」と違い、基本的に常設定番商品は置かず、イベントや展示会、予約受注販売の拠点としている。さまざまな分野のコンテンツホルダーに対し、リアルな接点となる環境を提供しているのだ。特徴は出展料無料の“仕入型”で運営するスタイル。

秋葉原エリアで、非デジタル商品の新たなリアル接点づくりに挑戦(左)ギャラリー内の展示スペースには、予約受注販売の「複製原画」などが展示されている
(右上)「まちキャラ」店舗の2号店である「まちキャラ アキバギャラリー」
(右下)独自企画商品は限定品で、ファンにとっては所有価値の高いコレクターズアイテムとなる

 オープン直後には、人気イラストレーターの「藤ちょこ」氏とコラボしたポップアップストア企画を実施。大日本印刷が運営するDNPクリエーター共創サービス「FUN’S PROJECT」と連携し、「藤ちょこ」氏の“複製原画”などの予約受注販売を行った。

「デジタルIPをリアルの商品に変えたデジタルアートの複製原画は、いわば一般流通ではない限定商品であり、コレクターズアイテムとして所有価値が高くなります。そして来場しなければ、実際に見ることができません。ファンの中には、高額でもいいからクリエーターの原画を入手したいという人が多くいます。私たちは、出展料無料の展示販売会を開いて来場価値を高め、熱量の高いコアユーザーに刺さる商品を提供していきたいと考えています」(図参照)

 実際に、「藤ちょこ」氏の一点ものの“高精彩複製原画”は、35万2000円という価格だったが、購入を希望する応募者が殺到し、抽選で販売された。

 こうした展示販売会を開いて作品を販売できるのは、コンテンツホルダーにとっても貴重な機会であり、同社の試みは、エンタメコンテンツの活性化に大きく貢献するものとなる。版権に問題がなければ、海外からの予約受注にも対応していく予定だ。

 阿曽顧問はこう語る。

「このリアル店舗での展示展開を通じて、一般流通では手に入れることが困難な一点物、シリアルナンバー付き限定商品、作者の直筆サイン入り商品やオリジナル商品などを販売形態にもこだわった形で披露し、コンテンツホルダーや作者とファンの満足度を高めていきたい。例えばイラストレーターの個展、音楽系アーティストの展示会、ゲームの発売記念イベントなど、ギャラリーでの来場体験はもとより、自社ECでの販売と卸し機能を組み合わせるなど幅広いエンタメコンテンツの普及に貢献していきたいと思います。そして、さまざな企画をお持ちの方にご利用いただける業態にしていきたいと考えています」