直近5年で、取扱損害保険料が倍増――。少子高齢化や自家用車離れといった逆風の中、売り上げも利益も右肩上がりに伸ばしている保険代理店がある。福岡県に拠点を置くベストコンサルだ。成長のカギは、中小企業向けグループウエア「サイボウズ Office」を導入して業務プロセスをデジタル化したことにあるという。生産性アップをもたらすデジタル改革のポイントを聞いた。
保険ビジネスが個人戦からチーム戦へ進化する!
ベストコンサル(本社・福岡県八女郡)は、営業エリアを九州全域に広げ、2万人以上の個人顧客と約2000社の法人顧客を抱える保険代理店だ。損害保険や生命保険を中心に多彩な保険商品を扱うほか、レンタカーやロードサービス、カーリースも手掛けるなど、地域の困りごと解決企業として業績を伸ばしてきた。
佐藤未寧夫専務取締役
保険代理業は、経営者自身が営業マンとなって腕一本で稼ぐ「1人代理店」が乱立してきた業界だ。同社も1996年に現社長がたった1人で創業した会社だが、市場ニーズが多様化する中、個人事業主感覚の経営のままで存続するのは難しい。事実、経営者の高齢化などを理由に廃業する小規模代理店が増えている。そこで同社では、志を同じくする小規模代理店との合併や統合を積極的に進めて規模を拡大。「保険を売るだけの代理店」から「トータルでお客さまをサポートする生活関連企業」へシフトチェンジを図ったのだ。
しかし、単に社員数を増やすだけでは個人の集合体にすぎない。従来の職人的な営業スタイルから脱却し、いかに企業としての信頼を構築するか──。組織として健全に成長するためには、この大きな課題を克服する必要があった。そのカギとなったのが「サイボウズ Office」の導入だ。
「業界全体に染みついた古い仕事のやり方を変えるのは簡単ではありません。サイボウズ Officeを導入していなかったら、ここまでの成長はあり得なかったと思います」。一連の業務改革のキーマンとなった同社専務取締役の佐藤未寧夫氏はそう語る。