ITが苦手な社員もサクサク使えて業績アップ!中小企業のデジタル改革の極意とは

「簡単・柔軟・低コスト」の三拍子がそろうグループウエア

 佐藤氏の前職は大手保険会社の業務改革コンサルタント。保険にまつわる業務プロセスを知り尽くし、2014年からベストコンサルの経営に参画するようになった佐藤氏には、取り組むべき課題は当初から見えていたという。それは、全ての営業担当者の動きをきちんと把握し、業務全体を「見える化」すること。そして、それによって得られる情報をフル活用し、より大きな価値を生み出せるようにすることだ。ただし問題は、その仕組みをどう構築するかであった。

「大前提として、ビジネスプロセスを管理する社内ポータルサイトが絶対に必要でした。しかし、ただシステムがあればいいというものではありません」と佐藤氏。というのも、当時の同社の平均年齢は52歳。パソコン操作に不慣れで「指1本でキーボードをポチポチ押して入力するのが精いっぱい」という社員もいたぐらいだった。さらに、業界経験の長い人ほど一匹狼タイプで、管理されることを嫌う。操作がややこしい管理ツールが浸透するはずがない。

 そこで佐藤氏は、①デジタル機器が苦手な高齢層でも使いこなせること(カンタン操作)、②自社の業務プロセスを全て集約できて仕事が楽になること(カスタマイズの柔軟性)、③初期投資や運用費が安く、専任スタッフが不要(低コスト)の三つを条件に、さまざまなツールを比較検討した。そして、たどり着いたのがサイボウズ Officeだ。

「スケジュール管理やコミュニケーション機能、ファイル共有といったグループウエアの基本機能だけでなく、『カスタムアプリ』の機能が充実していることが最大の魅力でした。自社の業務プロセスにぴったりのアプリが簡単に作れて、業務をすごく楽にできるんです」

 例えば、あらゆる保険契約で年に1回必ず発生する「保険契約更新業務」は、確実にこなさなくてはならない大切なタスクの一つ。その上、16年に改正保険業法が施行されてからは「いつ、どんな提案をしたか」という正確な記録が求められるようになり、営業担当者に課される作業が増えた。この作業を飛躍的に楽にしたのが、カスタムアプリで作成した更新進捗管理アプリ「更新くん」だ。

 営業担当者が画面を開くと、1カ月以内に満期を迎える契約がズラリとリスト表示される。優先度の高い順に並んでいるので、その通りにアポイントを入れていけば漏れがない。訪問後の記録も簡単だ。「営業状況」の項目をクリックして、プルダウンメニューから項目を選ぶだけ。わざわざ編集画面に切り替える必要がないので、画面を開いて3タップで記録が完了。外出先でタブレットやスマートフォンからでもサッと入力できる。

新着
業界
学び
特集
書籍
業界
製造業 銀行・証券・金融 保険 建設・不動産 コンサル・士業 商社 運輸・物流 IT・通信 AI・テクノロジー エネルギー 医療・製薬 食品・農業 小売・外食 サービス・エンタメ メディア・広告 スタートアップ・新規事業 教育 財閥・学閥 予測・分析
学び
経営・戦略 マネジメント ビジネス課題 ビジネススキル 営業・マーケティング マネー・投資 相続・節税 年金 キャリア・働き方 受験・子育て 教養