末っ子に多い「むじゃきボケ」タイプの特徴

 お調子者で、明るく、良くも悪くも無責任。常に自分が主役でありたい。そんな無責任で、少しわがままなお調子者が「むじゃきボケ」です。むじゃきに、気の赴くままにボケ倒し、周囲がそれを許してしまう愛嬌も兼ね備えています。自由に育ち、要領の良い末っ子に多く見られるタイプです。

 むじゃきボケタイプの特徴は以下の通りです。当てはまるものが多い人は、その可能性が高いでしょう。

★ボケたがり
★天性の明るさで、人にかわいがられることが多い
★踏み込んだことや失礼なことを言っても、なぜか許される
★基本的には無責任。自分のボケで場がシラけても気にならない
★良くも悪くも、自分の思ったことは必ず伝えたい
★主人公タイプで、自分が中心じゃないと納得できない
★極度の負けず嫌い
★末っ子に多い

【むじゃきボケタイプの芸人例】
ダウンタウン松本人志/とんねるず石橋貴明/ナインティナイン岡村隆史/アンタッチャブル山崎弘也/ネプチューン堀内健/千鳥大悟/天竺鼠 川原克己/野性爆弾 くっきー!/劇団ひとり/高田純次/EXIT 兼近大樹

「非常識」な立場で振舞うと話がはずみやすい

 むじゃきボケ気質の人は、聞き手にまわるより、積極的に自分の話をしていくほうが自分の良さが出ます。1対1の会話でも、自分の話と相手の話は「7:3」くらいのイメージです。目上の人だとしても、「聞いてくださいよ~」と自分の話をしていく、後輩にもむじゃきに絡んでいく。そんな姿勢が笑いを取れますし、愛されます。

 また、「常識」よりも「非常識」、「普通」よりも「稀」な立場にまわるほうが、キャラが生きて話がはずみやすくなります。

 たとえば、猫派か犬派かという話題にウサギ派で参加する。好きな果物の話でドリアンを挙げるなど、「普通ではない」「非常識」「珍しい」という方向性で会話に参加するとツッコまれやすく、自分のキャラが生きます。

ボケられたら、ボケに乗っかる

 このタイプがツッコミにまわることはオススメしません。誰かがボケても、ツッコまずにそのボケに乗っかる。イジられたときも、ツッコんだり怒ったりせずボケで返す。または、天真爛漫に誰かを小バカにしながらイジり倒す。

 そんなふうに、とにかくボケにまわっていれば、持ち前の愛嬌と人との壁を感じさせないキャラクターで、自然と良好な人間関係が生まれ、コミュニケーションもうまくいくようになります。

 拙著『おもろい話し方』では、5つのお笑いタイプの解説に加え、自分のタイプを把握できる「タイプ診断シート」も用意しました。自分のタイプがわかれば、おもしろい人にさらに近づけます。コミュニケーションも人間関係も、もっとうまくいくようになるでしょう。ぜひ参考にしてください。

(本原稿は、芝山大補著『おもろい話し方 ~芸人だけが知っているウケる会話の法則』からの抜粋です)

芝山大補(しばやま・だいすけ)
ネタ作家
1986年兵庫県生まれ。2007年、NSC大阪校に入学。2009年、2011年には、それぞれ別のコンビでキングオブコント準決勝進出。2015年にはフワちゃんと「SF世紀宇宙の子」を結成。同コンビを解散後は、ネタ作家に転身。賞レースのファイナリスト、セミファイナリストなど、芸人300組以上のネタ制作に携わる。2019年からは、「笑いの力で人間関係に悩む人を救いたい」という想いから、お笑いの技術を言語化して伝える「笑わせ学」に取り組む。講義やイベントでの指導、YouTubeやTikTokでの活動を通じて、多くの人に芸人の技術を伝えている。