会社で手土産をもらったとき、「感じのいい人」はとっさに何をするでしょうか?
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ(お客さまとの信頼関係づくり)」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。
「手土産」をもらったら
オフィスにお客さまを迎える機会も増えてきました。「共有」の気づかいですね。
久しぶりにお客さまを迎えるとき、相手が「お菓子の袋」をさげていることもあるかと思います。
手土産を手渡されたときに、気の利いたお礼の言葉はないかと考えたことはないでしょうか。
その場で一回、見送る時に一回、「ありがとうございました」と伝えるのが精いっぱいだと思います。
あなたが訪問者として手土産を用意するときを想像してみましょう。
早めに会社を出てデパ地下などに立ち寄り、訪問先の人数を考え、美味しそうで日持ちする菓子を選んでいませんか?
経費とはいえお金を払って購入してきています。
「喜んでもらえるかな」という小さな不安もあるかと思います。
この一言が出るかどうか
手土産を渡されたとき、「自分が嬉しい言葉」は、やはり「ありがとうございます」です。
そしてもう一つアクションをプラスして、相手の厚意を周りと共有してみましょう。
それは簡単です。
その場で「〇〇さんからお土産をいただきました!」と、周囲に呼びかけることです。
あなたが1人のときならば、会議室に入ってきた上司や他のメンバーに共有します。
実際に私は、福岡のあるオフィスに東京から手土産を持って出向いた際、この呼びかけをしていただいたことがありました。
お礼を求めていたわけではありませんが、口々に「ありがとうございます! いただきます!」「うわ、これ前にテレビでやってたの見て食べたかったんです」などと声をかけられると、素直に嬉しかったですし、持って行って良かったとホッとしました。
共有には、押し付けられるストレスから解放される以外に、人の心をほっこりさせる気づかい効果もあるのです。
(本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が特別に書き下ろしたものです。)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。