独自の調理システム
「NOS」を開発

 だが外食チェーンとしては、単に生産効率を高めるだけではなく、「おいしさ」と「品質向上」を両立しなければならない。そこで2001年からNOS(ニュー・オペレーション・システム)導入への本格的な取り組みが始まった。 

「NPSの最大の効果は、現在の調理システム(NOS)が出来上がったことです」と語るのは、佐々野諸延(さかえ)社長だ。最も大きな変更は、それまで鍋で複数人数分を一度に仕上げていたちゃんぽんの調理を、1食分ずつ行う形にしたことだ。それが、現在の調理法の根幹となっている。

「ちゃんぽんは1人前ずつ作った方が、スープや麺の量にばらつきが出ず、絶対においしいのです。ではなぜ、1人前ずつ作らないのか?という話から改革がスタートしたのです」

 野菜の炒め作業では、鍋の表面温度や野菜の温度を時間ごとに細かく計測。「野菜の甘さを最も引き出せる温度と時間を特定し、何分後に何度のスープを注ぐと理想的な仕上がりになるかといった細かな点まで調理工程を突き詰めました」(佐々野社長)。さらにその作業を正確に行い、調理時間を短縮するためにIH調理器を導入。一度に複数のIH調理器を稼働させることで、40秒に1食のペースでちゃんぽんをディッシュアップすることを可能にした。

「NOSの導入で、誰もがおいしいちゃんぽんを一定の品質で作ることができるようになり、労働環境も改善しました。大きかったのは、注文に迅速に応えられるようになり、大型ショッピングセンターのフードコートへの出店が可能になったことです」と佐々野社長は振り返る。