企業が求める経営革新と、個人が求める働き方革新の両立を支えた富士ビジネス
Seek/Switch/Spreadというキーワードを見つけ出して打ち出し、東京支社の新たなオフィスづくりをリードしたのは、嶋津氏や櫻井氏のような三洋化成工業と関連会社の若手社員をメンバーとしたプロジェクトグループだ。
この現場で働く人たちの自主性に任せてのオフィスづくりの基盤には、「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」を社是とする三洋化成工業ならではの企業文化がある。「全従業員が誇りを持ち、働きがいを感じるグローバルでユニークな高収益企業に成長する」「共同の夢を抱き、自主性を持って革新にチャレンジする」というビジョンを掲げ、樋口章憲代表取締役社長はトップメッセージで「“ワクワクする会社”を作り上げる」と語っている。
社員の働き方についても同社は先端企業であり、16年には「京都府におけるベストプラクティス企業」の第1号に選ばれているほどだ。
同社にとって東京支社のオフィス刷新における最大の課題は、新しい働き方への転換を促進する新しいオフィスづくりだった。それは企業が求める経営の革新と、個人が求める働き方の革新の両立とも言い換えられる。
この難題に三洋化成工業が立ち向かうに当たって、さまざまな面で強力なサポートを提供したのが、企業の抱えるオフィスの課題に有効なソリューションを提供する富士ビジネスだ。
同社によるソリューションの具体例は、これまでに触れたフロア内の仕切りを抑えた空間構成からカフェ、ファミレスシート、集中スペースの設営、そして的確な予算・工程管理などにまで及ぶ。
「社内のアンケートやチームでの議論などから出た『ああしたい、こうしたい』『あれで困っている、これで困っている』という私たちの話を、大きなものから小さなものまで本当によく聞いてくれた」
「その上で的確な解決を提示したり、時には社内の論議の方向付けまでしたりしてくれて、目指す姿が明確になり、私たちの思いを具体的な形にしてもらえた」
「21年の前半から始まって22年3月には引っ越しという時間に余裕のないスケジュールにもしっかり対応してもらえた。デザイン面だけでなく、プロジェクトマネジメント面でも安心できた」
プロジェクトチームの嶋津氏や櫻井氏がこのように称賛を惜しまないこと、入居後の従業員アンケートでの満足度が5点満点の平均で4.3という高い水準に達したこと、そして三洋化成工業が現在取り組む京都本社オフィスのリニューアルについても同社をパートナーに選んだこと──。その全てが、富士ビジネスと共に遂行した三洋化成工業の東京支社の変革が大きな成功を収めたことを示している。