あおらない、うそをつかないなど「やらないこと」を決めた

――ブランディングではどういうことに気を付けましたか。

 社内で、幾つかの「やらないこと」を決めました。代表的なのが「あおらない」「うそをつかない」などです。どれも常識的で、当然のことかもしれませんが、徹底するのは簡単ではありません。

 例えば、シンクレア教授は、マウスベースの研究で、「60歳相当のマウスが20歳相当に若返った」と報告していますが、論文に掲載されたマウスは参考画像で、実際の若返ったマウスのものではありませんでした。あの写真はうそなのか本当なのか、難しいラインだと思います。

 当社は「若返り」についても、過剰には強調せずに、誠実に、あおることなく売っていこうと決めました。

 実年齢と生物学的年齢には、ほとんどの人はブレがあります。実年齢は40歳だけど、生物学的年齢は43歳ですとか39歳ですといった感じですね。しかし、そのブレ幅の範囲には動物としての限界があり、シンクレア教授のマウスの実験を無理やり人間に当てはめるように、60歳相当の人が20代ぐらいに若返るといったオーバーな提示はしません。

「期待値をあおって売る」ということはしないと決めたからです。われわれが届けたいのは、実態に沿った若返りです。

――ですが、良い製品だということはしっかり訴求しなければなりません。

 そうですね、われわれは、プロゴルファーの方々に協力を依頼し、当社のNMN製品を3カ月飲んでもらいました。協力していただいた方々はたばこを吸わないし、食生活にも運動にも大変気を付けておられます。するとわずか3カ月で、長寿遺伝子といわれるサーチュイン遺伝子の活性が10段階の2.5から4.1に著しく向上した方がいました。これには私も、そのプロゴルファーの方もとても驚きました。

 自分たちは良い製品を作っていると、改めて自信が持てました。

――改めて、御社のNMN製品の強みを教えてください。

 当社の創業は1731年で291年の歴史があり、特に長いこと漢方を扱ってまいりましたので、NMNの配合にも漢方の思想を生かしています。簡単に言うと、NMNの働きが最大限に高まるよう、複数の成分を組み合わせた配合をしています。

人生100年時代の切り札として期待される“若返り物質”の研究者と製造販売のパイオニア企業が明かす「最新事情」ノルデステの主力製品である「NMNサーチュイン」

 また、現在、クリニックなど日本の医療機関が提供しているNMN点滴の80%は、弊社の原材料が使われています。

 私は現在の会長である父の仕事ぶりを10代の頃から展示会などの手伝いなどを通じて、見てきました。「良いものしか提案しない」という徹底した仕事ぶりでした。私も品質については一切、妥協したくありません。間違いなく高い品質のものを愚直に扱うことが、当社の基本です。

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