企業が寄附や人材派遣を通じて、地方公共団体の地方創生プロジェクトを応援する「企業版ふるさと納税」。2020年度税制改正による税額控除割合の引き上げもあり、21年度の寄附実績は大きく増加した。地方公共団体が仕掛ける各プロジェクトの魅力も増しており、都会から地方へ資金や人材の新たな流れを生み出す仕組みに注目が集まっている。

寄附実績が大幅に増加

企業の寄附で地方創生プロジェクトを活性化させ、社会へ貢献。〜全国の自治体で広がる「企業版ふるさと納税」岡田直樹・内閣府特命担当大臣(地方創生)〈中央〉と「企業版ふるさと納税に係る大臣表彰式」に参加した受賞団体の面々〈写真左〉。右はあいさつをする岡田大臣

 2023年2月9日、「企業版ふるさと納税に係る大臣表彰式」がベルサール虎ノ門で開催された。内閣府では、企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)の活用促進を図ることを目的に、18年度から毎年度、その制度の活用で顕著な功績を上げ、他の模範になると認められる活動を行った地方公共団体や企業を表彰している。今回は選考委員による審査を経て、企業部門で3団体、地方公共団体部門で3団体が選出された。

 表彰式のあいさつに立った岡田直樹・内閣府特命担当大臣(地方創生)は、寄附実績が大きく増加している現状を踏まえ、「内閣府としては、受賞団体の取り組みの横展開を通じて、企業版ふるさと納税を活用した地方創生の取り組みが、全国各地で行われるように積極的に取り組んでいきたい」と、制度が浸透している手応えを語った。

次ページでは、最大で寄附額の約9割の税額控除を受けることができる企業版ふるさと納税の驚きの仕組みを詳しく解説する。