米証券大手チャールズ・シュワブのウォルト・ベッティンガー最高経営責任者(CEO)は3月半ば、同社株およそ300万ドル(約4億0300万円)相当を購入した。ちょうど預金流出への懸念から、株価が急落していた時期で、ベッティンガー氏はシュワブの財務状況は健全だと述べていた。

 投資家が内部関係者による株買いに注目するのは、幹部や取締役は通常、会社の先行きについて一段と深い理解を得ていると考えられるためだ。また内部関係者は総じて、株価の変動を予想して売買する。新型コロナウイルス流行で株価が急落していた2020年3月にも、経営陣らによる大量の自社株の買い増しが起こり、その後の株価回復で大きな利益を確保した。

 金融セクターを中心に、内部関係者による自社株の購入が増えていることは、3月の銀行混乱を経ても、企業が先行きを楽観していることを示唆しており、投資家に一定の安心材料を提供しそうだ。米株式市場は3月の銀行不安の発生後も底堅い展開が続いており、S&P500種指数は年初来で7.7%上昇している。

 資産運用会社ホムリック・バーグのステファニー・ラング最高投資責任者(CIO)は「市場が恐怖心に包まれ、優良な銘柄の一部も値下がりした。これは価値ある企業を投げ売りしている状況だ」と解説する。「内部関係者が投資家とともに自己資金を投じているということは、その銘柄に対する支持票に等しい」

 内部関係者による自社株の購入のうち、金融機関の幹部や取締役らによる株買いは半分以上を占めており、同セクターとして少なくとも2年ぶりの高水準となった(ワシントン・サービス調べ)。

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