投資分析会社ベリティーデータによると、3月はとりわけ地銀の内部関係者による自社株の購入が活発だった。テキサス州のカレン・フロスト・バンカーズ、カリフォルニア州のパックウェスト・バンコープ、オハイオ州のフィフス・サード・バンコープなどでは、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻後、内部関係者による自社株の購入が加速した。

 ベリティデータの調査部門責任者、ベン・シルバーマン氏は「自社は危機を乗り切れると内部関係者が確信していることを示している。こうした兆候は投資家にとって明らかにプラスだ」と話す。

 投資助言会社ウェルス・アライアンスの社長兼マネジングディレクター、エリック・ディトン氏は、銀行幹部らが自社株の購入に殺到していたということは、銀行危機が封じ込められたとの自身の見方を裏付けると述べる。

 その上で「内部関係者の動向を多大なる関心を持って追っている。これは(世界的な金融危機が襲った)2008年ではない」と話す。

 もっとも、これまで発表された第1四半期の銀行決算は、業界の動向を占う上で強弱まちまちの内容となっている。JPモルガン・チェースなど大手は、規模の小さい銀行から大手へと預金が流れる中で、危機をうまく乗り切っている。一方、地銀の中にはウェスタン・アライアンス・コープのように預金引き揚げの動きが落ち着いたとするところもあれば、預金の維持で厳しい状況に追い込まれていると説明する地銀もある。

 銀行株の売りは収まったものの、3月の値下がり分をまだ回復していない。上場投資信託の「SPDR S&PバンクETF」と「地銀ETF」は年初来で19%と27%それぞれ下落。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは21日、最近の動向により、預金の安定性を巡って疑問が生じたとして、地銀11行の格付けを引き下げた。

(The Wall Street Journal/Hannah Miao)

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