“人は何にでもなれる”を
掲げて採用を実施
同社では、全社員に向けて「Hands 6 Spirits」という基本精神を掲げている。「昨日までの答えが今日の答えではない」「現状維持は衰退である」「組織力とは人の能力の足し算ではなく掛け算である」「何事も楽しもう」「感謝の気持ちなくして企業成長なし」「世の中の為になる」の六つである。この基本精神に基づいて、社員は日々業務に取り組んでいる。
「当社の採用方針としては、“人は何にでもなれる”ということを掲げています。人は目標を持つことで、いつからでもキャリア形成ができる。遅いということはありません。そのため中途採用を含めて、入り口は広くしています。実際にアルバイトから入って取締役まで昇進した人もいます。性別や国籍、年齢や学歴などは関係なく、努力をすれば必ず報われるという組織を、経営者として実現したいと考えています」(徳村社長)
何事も決め付けることをせず、可能性を見いだす。入社してから、人材を磨き上げる。同社にはそのような風土がある。その一つの例が社内のビジネスコンテスト。新規事業のアイデアを公募し、グランプリを獲得した社員にはアイデアの事業化を約束する。
「“出るくいは引っこ抜く”というのが私の信条です。若いときから成功体験を積むことで、人間は成長できます。ビジネスコンテストでも、アイデアを事業化するために経営企画室がきちんとフォローするなど、サポート体制は万全を期しています。自ら手を挙げれば、どんどん抜てきしたい。自発性のある社員を求めています」と徳村社長は強調する。
もともとフラットな組織で、風通しの良い社風である。部門内で人間関係を固定させないため、社内にさまざまなコミュニティーをつくって社員同士の交流を深めている。新入社員は積極的に営業の最前線に送り込み、仕事で全国を飛び回る楽しさを覚えさせる。
2022年には、外国人労働者の登録支援業務や教育を担う「ハンズグローバル」、障がい者雇用を担う「シェイクハンズ」という会社を立ち上げた。企業理念は「あらゆる社会問題を多様な事業領域をもって解決する多面体企業である」というもの。経営の仕組みを重視しながら、一歩先の未来へ向け果敢なチャレンジを続ける会社である。