組織横断型イニシアチブで「ビジネスモデル変革」を支援

――現状を把握し切れていない企業が多いということですね。

安井 分かっていても受け入れ難い変化、というものもあります。人口動態の変化はその一つです。私たちはこれまで人口が減少するという現象を経験してこなかったので、頭では理解していても実感が伴わず、つい対応が後手に回ってしまうのです。

10年以内の淘汰は不可避――今こそビジネスモデルを捨てて再発明に挑むPwCコンサルティング代表執行役CEOの安井正樹氏(左)と執行役員 パートナーの濱田隆氏

――そうした中で、御社はどのように企業のビジネスモデル変革を支援しているのでしょうか。

安井 当社だけでなく、PwC Japanグループを挙げて、Business model reinvention(ビジネスモデルの再発明)という一大テーマに取り組んでいます。濱田はこの組織横断型イニシアチブのリーダーとして取り組みを統括する役割を担っています。

――濱田さんにお聞きしますが、これは具体的にどのような取り組みなのでしょうか。

濱田 ビジネス環境の変化が激しく、先が見えにくい状況の中で「この先、どんな未来になるのか」を予測し、それに対応する戦略作りをお手伝いします。私たちは、経営者に寄り添いながら、想定される課題を予見し、一緒になって解決することを心掛けています。信頼できるパートナーがきちんと伴走すれば、最初の一歩を踏み出す勇気が湧くのではないでしょうか。

10年以内の淘汰は不可避――今こそビジネスモデルを捨てて再発明に挑む安井正樹(MASAKI YASUI)
PwCコンサルティング 代表執行役CEO

――Business model reinventionの支援では、まさにそうした伴走を行うのですね。

濱田 その通りです。多くの企業では、縦割りの各部門が従来の“勝ちパターン”を想定して動いてしまっているので、「どこから手を付ければいいのか分からない」という経営者もいらっしゃいます。そうした場合は、私たちが効果の期待できる部門を特定し、小さく始めて全社に広げていくといった支援も行っています。

 私たちの支援の大きな特徴は、先ほど安井が申し上げたように、組織横断型のイニシアチブであることです。PwCコンサルティングには、企業経営の上流を担う戦略チームもあれば、未来を描くチーム、各業界に詳しいチームもあり、小さく変革を始めていくための知見やノウハウを持ったメンバーたちも存在しています。これらのチームが連携することで、クライアントのビジネスモデル変革を総合的に支援できます。

 さらに、PwC Japanグループには、税務や会計監査、法務など、さまざまなプロフェッショナルがいます。新しいビジネスを立ち上げる場合、関係する法律や税制などに対応しなければなりません。そうしたトータルな支援ができるのも、私たちの強みだと思います。