若手や女性が躍動し、新規事業を次々に生み出す好循環
同社が次々と業界の常識にとらわれない変革を断行することができる背景には、新入社員を含む全ての社員がフラットに働ける、スタートアップ的な組織風土がある。
「カラオケの顧客の中心は若年層や女性ですから、それらターゲットに向けたサービスも若手や女性が中心となって考えるのが自然」と東原社長。ここ数年で新卒をはじめ若い世代や女性の採用に力を入れ、すでに社内の全管理職の5割以上が30代までの若手、あるいは女性が占めるようになっている。
社長室のドアが開いていれば、いつでも誰でもプレゼンOK。提案内容に魅力があり、発案者に事業を推進する覚悟と情熱があれば、経験ゼロでも責任者として権限が与えられ、後方支援も惜しまない。実際、今年6月に京都・河原町にオープンした24時間無人販売の生花店「kleine geluk(クレイネヘリュック)」や、先述した「ジャジャーンカラ京大BOX店」は入社1年目の社員や入社前のインターン生がプレゼンを経てプロジェクトリーダーとなって実現したものだ。
2024年卒の女性新入社員2人のアイデアで実現した24時間無人販売の生花店(京都・河原町)
「好きなことに楽しみながらチャレンジしてほしい」(東原社長)という考えから、入社時の配属も本人の希望を尊重しており、現時点での希望達成率は100%で「配属ガチャ」もゼロ。「やりたいことを楽しみながらとことん追求しよう」というシンプルで前向きなメッセージは起業家マインドを持つ若い人材を引き付け、新たな事業の創出につながり、それが優秀な人材を呼び込む好循環につながっている。