テクノロジーの発達で
乗務員の負担が軽減

 国際自動車の特徴は、ホスピタリティと社員第一主義にある。
「顧客へのホスピタリティを発揮するには、社員とその家族が健康で幸せであることが重要になります。そのために行っているのが、ホスピタリティを磨く研修制度、そして自分らしく働けるキャリア支援制度です。ジョブトレーニングと呼ばれる社内インターンシップ制度(3カ月単位)や、働く女性を応援する女性活躍推進制度、プロドライバーとしてのテクニックを磨くJPNタクシー専用コースなどを設け、適材適所の人材登用を実現、気持ち良く働いてもらえる環境を整えています」。そう説明するのは西川洋志会長だ。

 コロナ禍で一時的に乗務員の数は減少したが、2023年度は1000人の乗務員を採用、コロナ禍以前よりも乗務員の人数は増えた。業界内での信頼度に加え、テクノロジーの発達で乗務員の仕事の負担が軽減されていることも採用増の理由になっている。

ホスピタリティと社員第一主義で、都市交通のインフラを支える

「カーナビの普及もあって、タクシードライバー必須の地理試験がなくなり、キャッシュレス化も進展、アプリの発達で、どの地区にお客さまが多いか需要予測もできるようになりました。乗務員になるハードルが低くなり、自分の生活リズムに合わせた働き方ができるため、他業種からの転入も増えています。また近年は、タクシーが足りない地域や時間帯が可視化されるようになりました。当社では、タクシー不足を解消するため、シフトを組み直して、不足時間帯への供給態勢を構築しています」(西川会長)

 タクシーに対する需要も近年は変化が見られる。かつてバブル期などは、帰宅に利用する夜間の利用が多かったが、現在は昼間がメイン。都市部ではビジネスの足として、郊外では高齢者や親子連れなどの送迎が多くなっている。その分、タクシー乗務員はこれまで以上に乗客とのコミュニケーションやホスピタリティが求められるようになった。