人とAIの掛け合わせで価値を提供する

「AI For Growth」が目指しているのは、人とAIの掛け合わせによって、クライアントの事業の成長や社会の進化に貢献することだ。そのために求められるのは、お互いを高め合える、社員一人一人の相棒としてのAIだ。

 児玉氏は「理想は自分の仕事を助けてくれるAIを自分で作れるようになることです。自分専用のAIを作り、自分を育ててくれるパートナーにしてもらいたい。今はそのための基盤をつくっているところです」と話す。

 AIで業務を効率化するのは当然だが、それで終わらないところがクリエーティビティを大切にする同社のAI戦略の特徴だ。よりクリエーティブな仕事をするためにAIと協働することを目標に置いている。社内ではAIを使った簡易なアプリを作っている人もいるという。

「先日、海外のメンバーと議論するために、キャッチフレーズを翻訳するAIアプリを作ってみたのですが、その翻訳を見ることで自分の英語力を高めることができると感じました。自分やチームの中で使うアプリは外販用ではありませんから、AIで作成したソースコードで十分です」と児玉氏はAIの使い方を語る。

 こうして個人が作って使い込んだAIそのものが同社にとって重要な資産になっていく。同社では25年度中に、自分だけのAIの開発や共有をしやすい環境も整備していく予定だ。社内におけるAI活用は加速度的に広がっていくだろう。

 最後に児玉氏は「これからも、クライアント様の成長に貢献できるサービスやプロダクトを提供するために、社内のAIリテラシーをさらに向上させていきます。いずれスマホやブラウザのようにAI活用は当たり前になっていくでしょう。AIネーティブの若い人たちに後れを取るわけにはいきません」と語った。AIが同社のビジネスをどう変えていくのか注目したい。

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