鉄鋼を中心に幅広い商材を扱う独立系商社として、国内外の市場でプレゼンスを確立している阪和興業。持続可能な成長へのビジョンを持ち、人材育成に積極的な投資を行う。社員に求めるのはフロンティアスピリット。若手人材に多くの活躍の機会を与えている。
阪和興業
鶴田秀行 執行役員
鶴田秀行 執行役員
阪和興業の創立は1947年。鉄鋼事業を主力に、リサイクルメタル事業や食品事業、エネルギー事業や木材事業など、幅広い分野で事業を展開する商社である。独立系商社であることから、系列の制約やしがらみがなく、自由な発想で動ける強みがある。
2023年度は、30年を見据えた第10次中期経営計画の初年度だったが、「順調なスタートを切ることができた」と鶴田秀行執行役員は手応えを語る。
中期経営計画の基本方針は、サステナビリティ経営を基礎に、経営基盤の強化、事業戦略の発展、投資の収益化を図るもので、経常利益700億円を目指している。
国内では「そこか(即納・小口・加工)戦略」によって取引数量が伸び、海外ではアジア地域における販売網の拡大や、戦略的投資の収益化が目立つ。「特に主力の鉄鋼事業では、パートナーである中国鉄鋼業のグローバルマーケットでの影響力の増大に合わせて事業を拡大、ASEAN地域でのプレゼンスを高めています」と鶴田執行役員。他の事業も含め、「第二の阪和を東南アジアに」というスローガンの下に事業を展開している。
21年には、カーボンニュートラルの実現に向けた市場環境の変化に対応して、グローバル体制の「電池チーム」を発足。世界の自動車・資源メーカーと提携しながら、電池資源の中長期的な安定調達を図っている。また洋上風力発電に関するチームを立ち上げ、部材の供給など、内外をつなぐビジネスも展開中だ。