5.波乱に備える

 調査会社ウルフ・リサーチのチーフ投資ストラテジストのクリス・セニエク氏は、2025年は政策の不確実性が大きいとみている。「市場はトランプノミクスについて非常に楽観的な見方をしているが、もう少し波乱の多い道のりになるだろう」

 そのためセニエク氏は、今年の初めにマグニフィセント・セブン銘柄や通信サービス、その他の大型テクノロジー株のポジションを取ることを推奨している。こうした銘柄は強力で安定した利益成長により、ほとんどの嵐を乗り越えられるからだ。

 「AIへの支出やその他の要因により、テックのファンダメンタルズ(基礎的諸条件)はすでに非常に強い。ファンダメンタルズを強く保つために政策的な後押しは必要ない」

 セニエク氏は25年の株式市場が三つの段階を経ると予想している。

・最初の段階は昨年11月の大統領選挙の直後に始まり、新トランプ政権の「前向きな政策変更への期待感」から株価が上昇した。

・次の段階は25年序盤に始まり、「関税・減税・規制緩和などの具体的な政策についてより詳細な情報が明らかになる」実施段階だ。

・最後に、市場はこれらの政策を消化しなければならず、これが年内の第3段階につながる。

 投資家にとって最善なのは、実績のある銘柄を維持し、トランプ次期大統領の政策とそれが他のセクターや産業に与える影響がより明確になる最後の段階まで待つことだ、とセニエク氏は考えている。

6.バリュー株に注目

 長年バリュー株を重視してきたアリエル・インベストメンツの創業者でポートフォリオマネジャーのジョン・ロジャーズ氏は、バリュー株が過去20年間ほとんど注目されてこなかったにもかかわらず、強い確信を持って2025年を迎えている。

 「大型成長株は小型バリュー株と比較して法外に高くなっている」と言う。「だから私のテーマは、より小型の企業を買い、小型株の中でもバリュー株を買うことだ」

 ラッセル1000グロース指数は24年に35%のリターンを記録し、同バリュー指数のリターン(14%)の2倍以上だった。

 ロジャーズ氏はまた、新政権による規制緩和が一部の企業にとってチャンスになると予想している。「取締役会や多くの人々が規制環境のために取引を遅らせたり、取りやめたり、取引に関与しなかったりしてきた。最大の変化は規制の緩和だ」

 これらのテーマが同氏の予想通りに進展すれば、ラザードやプライベートエクイティ(PE)投資会社カーライル・グループなど時価総額の小さい金融企業に恩恵をもたらすはずだという。「プライベートエクイティはこの環境で本当に良い成績を上げるだろう。話題に上がっている取引の数を見れば分かる」

7.株式より債券

 ピムコの債券担当シニアポートフォリオマネジャーのマイク・クジル氏は、25年は債券が株式と比較して魅力的になると考えている。

 FRBが予想通り今年さらに利下げすれば、債券保有者は価格上昇の恩恵を受ける。しかし金利が上昇したとしても、利回りが十分に高いため、多少の価格下落なら相殺してプラスのリターンを得られる余地があるとクジル氏は言う。

 同氏がオーバーウエートにしている債券には、クレジットカードや自動車ローンなどの資産担保証券(ABS)、政府系機関の住宅ローン担保証券(エージェンシーMBS)、トリプルA格の商業用不動産担保証券、トリプルA格のローン担保証券(CLO)などがある。

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