「私はテスラ株を買わない」と断言する世界三大投資家のひとり、ジム・ロジャーズ氏。資産10億ドルを築いた今、「次に起きるsell-off(株価の急落)が、人生で最悪になるかもしれない」と語る理由とは?アメリカの歴史を踏まえて、「株価暴落の予兆」「暴落が起きたら何をするのがベストか」「個人投資家の鉄則」を指南する。(国際ジャーナリスト 大野和基)
トランプ銘柄は「石油関連」
EVテスラ株は「買わない」
――世界的に「トランプ銘柄」が注目されていますが、あなたの注目株は?
トランプは良くも悪くも、有言実行のリーダーです。「Drill, baby, drill」(掘りまくれ)と発言していたことは周知の事実ですね。つまり、石油掘削を許可するということです。だからまず、石油や化石燃料関連の株がトランプ銘柄に入ります。
トランプは自分が何をするか、声高に話しています。それが、トランプ銘柄に直結するでしょう。繰り返しますが、トランプは、実行すべきでないことも実行してしまう男です。その意味では、トランプ銘柄というものは非常に探しやすいですよね。
――実業家のイーロン・マスクがトランプの右腕になることも注目されています。マスクがCEOを務めるテスラ株は、「買い」ですか?
テスラ株は、私から見ると高すぎます。私の投資の基本哲学は、「Buy cheap, sell high.」であり、今のテスラ株はそれに反します。
新しい産業の到来があると、株式市場は熱狂に満ちあふれ、株価は上昇します。一時的には上がりますが、いずれその熱狂には終わりが来ます。私はテスラ株を買いません。株価が高い今は買いません。
――トランプ銘柄ではないけれども、今だからこそ買っておくべき銘柄、売っておくべき銘柄はありますか?