史上最高値の更新が続く米国株。割高な株価指標、トランプ大統領の政策など懸念材料もある中、2025年も右肩上がりとなるのか。特集『総予測2025』の本稿では、注目度が高まっている米国株投資において、個人投資家が取るべき戦略や25年に注目するべき銘柄を大和証券の柴田光浩シニアストラテジストに聞いた。(構成/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
減税や規制緩和が追い風になり
25年の米国株はジリ高基調を想定
2025年のS&P500はジリ高基調を想定しており、25年末に6700ポイントを目指すのがメインシナリオだ。トランプ大統領による減税や規制緩和に伴う景気拡大が追い風となり、EPS(1株当たり純利益)が拡大するからだ。
25年のEPS成長率は14%強が見込まれている。減税により余力が出ることで、投資に加えて自社株買いも増える。足元のPER(株価収益率)は高いが、今の市場予想よりも増益率が高まる可能性もあり、この部分は市場も織り込んでいない。
短期的には前回同様にトランプ大統領の発言に相場が左右される可能性があり、関税強化もインフレにつながる。だが、トランプ大統領が当選した背景には、物価高に苦しむ庶民からの支持があった。インフレへの対応策も出てくるはずで、トータルでは株価にプラスとなるだろう。
25年は円高が進むとみているが、米国株のEPS成長は26年以降も続く。長い目線で見ればネガティブに捉える必要はない。
セクターでは、減税の恩恵を受ける業界に注目したい。具体的には「マグニフィセント・セブン」(アルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディア)などIT大手を中心に、高額消費に関連する銘柄をアクセントに加えたい。
次ページではIT大手7社の中でも特に注目の2銘柄やAI相場で注目される企業、トランプ大統領の政策が追い風となる企業まで具体名を挙げて紹介する。