8.さらなるボラティリティーに備える
BMOウェルスマネジメントのユンユ・マCIOは、今年はトランプ次期政権が通商政策を展開する中で株式市場の一層のボラティリティーに備えるべきだと言う。
マ氏は「人々が現在想像している以上に混乱を招くだろう」と述べる一方、通商問題で米国経済が脱線することはないと予想している。「われわれは全体的に米国株への投資を維持することに前向きだが、同時に投資家は調整に備えるべきだと考えている」
同氏は、24年に好調だった巨大テクノロジー株だけでなく、若干の小型株も含めた幅広い米国株のポートフォリオを推奨している。「経済的・技術的恩恵が他の企業にも広がっていくとわれわれは予想している」
9.インフレに注意
ストラテガス証券のジェイソン・デセナ・トレナート会長兼CEOは、規制緩和などのトランプ政権の政策から市場は恩恵を受けるとしつつも、賃上げを求める声の蓄積、巨額の財政赤字支出、脱グローバル化の中でインフレが加速する可能性を警戒する。また不法移民の大規模な強制送還が物価を押し上げる可能性も懸念している。
同時にトレナート氏は投資機会も見いだしている。例えば満期が最長5年の投資適格社債だ。短期債券は、さらなる減税による政府債務の増加などの影響を受けにくいという。
株式に関しては市場のバリュエーションが高く、「それを支える利益成長がなければ持続不可能」であるため、3年連続で20%以上のリターンを期待することはできないと話す。
「強気相場は続くと思うが、上昇のペースは鈍化するだろう」。トレナート氏は新政権への参画について協議したことがあるという。
投資家が検討すべきテーマには、AI関連証券、データセンターなどのAIインフラ、AI関連事業に電力を供給する企業などがある。
「平均的なCEOは、AIに投資し過ぎるより、十分な投資をしないことで解雇される可能性の方が高い。そのような投資をするなら、大量の電力が必要だ」
10.金利の不確実性
BofAグローバル・リサーチのシニア米国エコノミストのアディチャ・バベ氏は、金利が過去の経済サイクルで正常と考えられていた水準よりも高止まりする可能性があると話す。
そのようなシナリオの一つは、FRBがインフレ率を長期目標の2%に戻せない場合だ。「高金利環境は長続きする可能性が高く、投資家はそれを考慮に入れる必要がある」
要するに、高金利と減税の組み合わせにより、政府の財政赤字と長期債の利回りが押し上げられる可能性がある。
とはいえ、新政権は規制と税制の面で企業に友好的になるとバベ氏は予想しており、これは投資家全般にとって好ましい環境だとしている。
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――筆者のローレンス・ストラウス氏はニュージャージー州在住のライター
(The Wall Street Journal/Lawrence Strauss)
※この記事はWSJにて2025年1月7日 09:23 JSTに配信されたものです。



