ハイフライヤーをよく知る人は、梁氏は現場にいるリーダーだと話す。より賢い銘柄選別やリスクヘッジができるようアルゴリズムを改良したり、プロジェクトに追われる同僚たちとオフィスに寝泊まりしたりしたこともあるという。コンピューター学習の限界を試すことに興味があるエンジニアにとって、AIモデルへの移行は自然な成り行きだと梁氏は述べている。
梁氏のチームは19年、米エヌビディアの画像処理半導体(GPU)を使った計算システムの構築に着手した。米オープンAIがチャットボット(自動会話プログラム)「チャットGPT」を発表した22年末時点で、エヌビディアの高性能チップ1万個以上が手元にある中国企業はわずか数社で、ハイフライヤーもその1社だった。
「ピアノを買うのに似ている」。梁氏はチップ購入について、23年に中国のテック系メディア「36Kr」にこう語った。「一つ目の理由は、買えるから。二つ目は、それで演奏したがっている人が何人もいるからだ」
梁氏は大きな決断を下した。コードをオープンソースにし、誰もがアクセスできるようにしたのだ。ディープシークがテック大手の独占を打ち破れるようにしたいと同氏は述べていた。
「技術者は、自分の仕事が他の人から追随されると大きな達成感を覚える」。梁氏は昨年、36Krとのインタビューでこう語った。「オープンソースは商慣行というよりむしろ文化で、それに貢献すれば尊敬を得られる」
同僚らによると、梁氏はいかにも中国人エンジニアらしい人となりをしている。服装や髪型にあまりこだわらず、公式や計算に基づいて判断を下し、大のサッカー好きだ。
積極的に表舞台に立つことのなかった同氏は、ディープシークが一夜にして熱狂を巻き起こしたことに驚いた。同僚らはそう話す。
利用者の急増は梁氏と同社にとって寝耳に水で、26日以降サービスがたびたびクラッシュした。梁氏とチームは需要に対応できるよう、春節(旧正月)の休暇の前に対策を講じた。
梁氏は長々と休むつもりはない。同僚らによると、休暇が明けたら同氏は仕事に戻り、次世代モデルの開発に取り組むつもりだ。
(The Wall Street Journal/Gregory Zuckerman and Raffaele Huang)
※この記事はWSJにて2025年1月29日 09:35 JSTに配信されたものです。



